寒天作り「楽しい」 都城 児童ら工場跡見学も

寒天突きでところてんを作る参加者

 県地域づくりネットワーク協議会北諸ブロック運営会議(中村光彦代表)は2日、食育イベント「ばぁばと寒天密造工場~みやこんじょの寒天食のルーツをさぐる~」を都城市で開いた。市内の未就学児から中学生まで子ども10人と保護者らが参加。同市高城町で寒天を作り同市山之口町にある島津寒天工場跡を見学し、食の歴史を学んだ。
 同会議によると、寒天は江戸幕府に生産統制されていた日本生まれの人気食品。薩摩藩が山之口町にひそかに工場を建設し製造、中国などを相手に密貿易を行っていたとされる。
 地域団体「ばぁばの知恵袋さくら」(末永陽子代表)の活動拠点である高城町石山のばぁばカフェで寒天作りに挑戦。かまどでテングサを煮て酢を加えてこし、粘りけのある汁を冷ますと寒天が完成した。
 子どもたちは長方形に切られた寒天を突き器に入れて突き棒で押し出し、できあがったところてんに黒蜜やポン酢を付けて食べた。
 このほか、寒天製造工場跡地も見学し、中村代表が工場の歴史を解説。近くの陶芸工房で寒天パフェを食べた。 
 都城市・有水小3年柏木悠乃(ゆの)さん(9)は「寒天を作るのは初めてで楽しかった」と話していた。

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