京セラ霧島工場の新研究開発施設完成 材料分野研究の中核、情報通信・環境エネルギー分野を強化

鹿児島国分工場の研究部門を集約した「きりしまR&Dセンター」=3日、霧島市国分上小川

 京セラ(本社京都市、谷本秀夫社長)が、霧島市の鹿児島国分工場で整備を進めていた研究開発施設「きりしまR&Dセンター」が完成し、3日開所式をした。国分工場内の研究部門を集約、同社の材料分野研究の中核を担う。情報通信や環境エネルギー分野の体制強化を図る。

 センターは国分上小川の同工場駐車場跡に建設した。鉄骨5階建て、延べ床面積約2万3000平方メートル。工場内に分散していた材料、生産技術、解析評価の研究3部門をまとめ、連携を強化する。従業員は365人で、新たに35人の雇用を予定する。

 第5世代(5G)移動通信システム対応スマートフォンやIoT(モノのインターネット)機器に使うコンデンサーや、燃料電池の主要部品を研究開発する。また航空宇宙、医療ヘルスケアといった新規展開を見据える。プレゼンテーションルームやラウンジを備え、社外の技術者を含めた交流の場としても活用する。

 開所式で谷本社長は「生産性倍増やプロセス改革で徹底的な原価低減を実現し、内部協業を加速させる」とあいさつ。塩田康一知事や中重真一市長とテープカットをし、完成を祝った。

 国分工場は1972年操業。従業員はパートを含め約5000人。

「研究開発を充実させ、半導体需要に応えたい」と話す谷本秀夫社長=3日、霧島市の「きりしまR&Dセンター」
鹿児島国分工場の研究部門を集約した「きりしまR&Dセンター」(京セラ提供)

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