「悲惨な事件は絶対に起こさない」園児置き去り事件の幼稚園が一部再開 通園バスは安全対策作成中で運行見送り—静岡・牧之原市

静岡県牧之原市で通園バスの中に園児が置き去りにされ、死亡した事件で、休園していた「川崎幼稚園」が10月3日、一部再開しました。新たに就任した理事長は「悲惨な事件は絶対に起こさない」と安全な運営を誓いました。

<篠原大和カメラマン>

「川崎幼稚園がおよそ1か月ぶりに再開しました。園の中から子どもたちの声が聞こえます」

静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」では9月5日、この園に通う女の子(3)が通園バスの中に約5時間にわたり取り残され、熱中症で死亡しました。園は事件の後、休園していましたが、登園した園児の確認方法を見直し保護者から承諾を得たとして3日、保育部を約1か月ぶりに再開しました。園内では、子どもと一緒に献花し、手を合わせる保護者の姿も見られました。

園は理事長を交代して新たな体制で臨みます。

<榛原学園 増田多朗理事長>

「ご遺族の気持ちを考えると園再開はなかなか判断できるものではありませんでしたが、園再開を望む声が保護者などからあがってきた。覚悟といいますか、とにかくもうああいった悲惨なことは絶対起こさない。みなさんが安心して納得していただけるような園を目指してまいりたい」

課題となっている通園バスの運行は、安全管理のマニュアルを作成中で、職員のシミュレーションが十分ではないことなどから再開の見通しは立っていません。

© 静岡放送株式会社