岸田首相就任1年 支持率急落 「芯なくば立たず」とやゆも 野党からは「原点じゃなくて減点」

岸田文雄首相(資料写真)

 4日は岸田文雄首相の就任から1年、裏を返すと菅義偉前首相(衆院2区)の退任からも1年となる。岸田内閣の支持率は急落しており、身内からは「菅さんレベルに達した」(官邸関係者)との自嘲も。霞が関では岸田首相が就任当時に打ち出したキャッチフレーズ「信なくば立たず」が「芯なくば立たず」とやゆされるなど、実行力不足への懸念が強まっている。

 「国民の厳しい声にも真摯(しんし)に謙虚に丁寧に向き合っていくことをお誓いいたします。『厳しい意見を聞く』姿勢にこそ政治家岸田文雄の原点がある」。3日の所信表明演説で岸田首相は「聞く力」から「厳しい意見を聞く」へと、バージョンアップを強調した。同日の読売新聞では支持率が50%を割り込み不支持と逆転したことが報じられた。野党からは「原点じゃなくて減点だ」「結局聞くだけか」とヤジが飛んだ。

 「『聞く』の延長戦ですか…」(内閣府スタッフ)と各省庁の官僚にも落胆が広がる。「物価高騰対策一つとっても聞いたり検討したりしている場合ではない。政治主導でどんどん手を打たないと市民生活が持たない」(同)との危機感が背景だ。ちなみに官僚間で語られる「芯なくば立たず」とは「具体策を立てられず成果もない内閣は早晩倒れる」との皮肉という。

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