秦野・保育園で園児に傷害 元施設長に有罪判決 「保育士として最も許されない行為」

事件について苦しい胸の内を語った園児の両親=小田原市内

 秦野市内の認可保育園で2021年10月、園児=当時(6)=を転倒させて多数回殴るなどしてけがを負わせたとして、傷害罪に問われた元施設長の被告(39)の判決公判で、横浜地裁小田原支部(林寛子裁判官)は3日、同被告に懲役1年、執行猶予3年(求刑懲役1年)の判決を言い渡した。

 林裁判官は判決理由で「約30分にわたる断続的で執拗(しつよう)な犯行。保育士として最も許されない行為」と非難。「けがの程度は比較的軽いが、精神的な影響は計り知れない」と指摘した。一方で被告に前科がなく、保育の仕事に就かないと誓約したことなどを踏まえ、執行猶予付き判決とした。

 判決によると、被告は同市内の認可保育園で施設長として勤務していた21年10月28日、園児の後ろから後頭部を平手でたたき転倒させ、頭部や背中などを多数回殴り、髪の毛をつかんで引っ張るなどの暴行を加え、約3日のけがを負わせた。

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 市によると、園は18年4月、県に認可された。事件を受けて県と市は21年11月に園の臨時監査を行い、再発防止のための改善指導を継続している。

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