米女子サッカー界、強制的な性行為など虐待常態化…独立機関が報告書

女子サッカー界で最強に君臨してきたアメリカ。国内の女子トップリーグであるナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグ(NWSL)が虐待問題に揺れている。

独立機関による報告書で、NWSLで虐待などが組織的に行われていると指摘されたのだ。この調査は英国人コーチであるポール・ライリー氏に対する疑惑を受けて昨年から開始されていた。

200人以上のNWSL選手から聞き取りを行った調査報告書では「リーグにおける虐待や不正行為(言葉による罵声や性的な不正行為)が組織的なものであること、それが複数チーム、コーチ、被害者に及んでいることが判明した。NWSLにおける虐待は、言葉による虐待が常態化し、コーチと選手との境界が曖昧になっている女子サッカー界に深く根付いている。自分たちの話を明かすために名乗り出た選手たちは素晴らしい勇気を示してくれた。過去に彼女たちを裏切ってきた組織は、その声に耳を傾け、選手たちにふさわしい有意義な改革を実施するべき時だ」と指摘。

さらに、「(聞き取り調査のなかで)より不愉快だったのは、性的な不正行為について。選手たちは、性的な発言、望まない性的な誘い、性的な接触、強制的な性行為などについて説明した」とも伝えている。

NWSLの統括団体であるアメリカサッカー連盟の会長は「ひどく心が痛むし、深く憂慮している」と話すとともに、改革実施のために直ちに動くと述べた。

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昨年、『The Athletic』は、ライリー氏が2010年から指導していたチームの女子選手に複数回に渡って性交渉を強要したと報道。複数の選手が性加害を受けたと告白し、問題になっていた。なお、ライリー氏はその疑惑を否定している。

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