北朝鮮が弾道ミサイル発射、日本上空を通過し過去最長4600km飛行 Jアラートが北海道と青森を対象に避難呼びかけ

弾道ミサイルとみられる飛翔体のルート

 北朝鮮は10月4日午前7時22分ごろ、北部から東に向けて弾道ミサイル1発を発射した。日本政府によるとミサイルは同28~29分ごろに青森県上空を通過し、同44分ごろに日本列島の東約3200キロの排他的経済水域(EEZ)外の太平洋に落下したとみられる。推定飛行距離は約4600キロで北朝鮮ミサイルとしては過去最長。最高高度は約千キロ。日本上空を通過するのは7回目で、2017年9月以来。被害情報はない。

 浜田靖一防衛相は中距離弾道ミサイル以上の射程を有すると推定でき、今年1月に発射した「火星12」と同型の可能性があると記者団に語った。

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 韓国軍によると、ミサイルは北朝鮮北部慈江道舞坪里付近から発射された。日本政府は全国瞬時警報システム(Jアラート)で北海道と青森県を対象地域に指定し、避難を呼びかけた。東京都の島しょ部にも初めてJアラートが発出された。

 日本上空通過は21年1月にバイデン米政権が発足した後では初めて。今回の飛行距離は北朝鮮から米軍の要衝グアムにも届く。金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記は核保有国として米政権に譲歩を迫り、体制維持を図る構えだ。

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 前回列島越えした17年9月は火星12を発射、北海道上空を通過し、約3700キロ飛行した。北朝鮮は先月25、28、29日と10月1日にも弾道ミサイルを発射した。

ミサイル発射のタイムライン(Jアラート受信)

10月4日

午前7時27分受信のJアラート「ミサイル発射。ミサイル発射。北朝鮮からミサイルが発射されたものとみられます。建物の中、又は地下に避難して下さい。対象地域:北海道、東京都」

午前7時29分受信のJアラート「ミサイル発射。ミサイル発射。北朝鮮からミサイルが発射されたものとみられます。建物の中、又は地下に避難して下さい。 対象地域:青森県、東京都」

午前7時42分受信のJアラート「ミサイル通過。ミサイル通過。先程のミサイルは、07時29分頃、太平洋へ通過したものとみられます。不審な物を発見した場合には、決して近寄らず、直ちに警察や消防などに連絡して下さい。対象地域:北海道、青森県」

 

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