長崎県内全市町「実質黒字」 2021年度普通会計決算 大型事業終了で歳出抑制

2021年度の市町の実質収支見込み

 長崎県は、県内21市町の2021年度普通会計決算状況(速報)をまとめた。歳入歳出差引額から翌年度に繰り越すべき財源を控除した実質収支は、赤字の市町がなく、全体で227億2千万円の黒字だった。
 県市町村課は「将来の財政負担を見据えた適切な財政運営がなされている」と評価した。
 歳入総額は9059億1800万円で、前年度比740億8400万円(7.6%)減。20年に給付された1人10万円の特別定額給付金がなかったことなどにより、国庫支出金が減少した。
 歳出総額は8710億5千万円で、同796億3300万円(8.4%)減。子育て世帯への臨時特別給付金など扶助費が増えたものの、特別定額給付金の事業費が減少。諫早駅整備や小中学校改築などの大型事業が終了し普通建設事業費が抑制された。
 21年度末の積立金残高は2725億1600万円で、前年度末と比べて187億100万円(7.4%)増え、5年ぶりの増加。普通交付税の追加交付があったほか、大村市はボートレース大村の売り上げが好調だった。
 健全化判断比率は全市町が基準を下回った。判断材料となる実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率の4項目のいずれかが、早期健全化基準以上になると財政健全化計画を策定する必要があるが、該当市町はなかった。


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