浦和レッズ江坂、ゴール渇望「自分のストロング」 チャンスメーカーに「葛藤」も白星狙い献身プレー

献身プレーでチームに貢献する江坂=大原サッカー場

 浦和のMF江坂の心はストライカーのままだと感じた。1―4で敗戦を喫した1日の広島戦後に取材エリアにやってきた江坂は「もちろんゴール前でプレーしたいしゴール、アシスト、その一歩前のプレーが求められている。自分のストロングだと思っている」と、思いを語った。

 同試合で公式戦3試合ぶりに先発しフル出場。「何回か自分のところに入ればチャンスもあったので、それを継続したかった」。スタメンでワントップの位置に入ったのは、2得点を挙げた2月12日の富士フイルムスーパーカップ以来約8カ月ぶりだった。

 元々は生粋の点取り屋。J2群馬でプロ生活をスタートさせると、1年目から13得点。大宮に在籍した2年間もJ1で15得点を奪い活躍した。両足、頭どこでも得点を取れるセンスの良さはストライカーそのものだった。柏を経て昨年6月に浦和に加入すると、プレーの幅は広がった。

 ゴール以外にも周りの選手を生かすことを得意とする江坂。チャンスメーカーとして、ロドリゲス監督からの信頼も厚く攻撃の中心選手になった。だが、チームへの貢献度が増せば増すほど、ゴールから離れたプレーが増えていった。

 チームがスムーズに回るようにポジショニングを取り、主にトップ下ながら時にはボランチ付近まで下がりゲームをつくる。「葛藤しながらやっている」と本音をぽつり。最前線での野心を抱えながら、献身性に身を置くのはゴールの渇望とともに勝利への渇望も強いからだろう。

 チームは5試合勝ちがなく、シーズン終盤に不安定さを見せている。広島戦後に「理想を90分間追い続けるのは難しい。割り切らないといけない部分はチームとして理解したい」と、重い口を開き警鐘を鳴らした。今季公式戦は残り4試合。次こそは笑顔の背番号33から喜びのコメントを聞きたい。

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