落雷で焼損の国宝・本殿の屋根 「落下の危険」と一部撤去 香川・神谷神社

9月27日に香川県坂出市の神谷神社で、国宝に指定されている本殿の屋根が落雷により焼けました。落下の危険があるとして10月4日、屋根の一部が撤去されました。

(山下佳乃リポート)
「火事から約1週間が経ちました。これから屋根の上の傾いているあちらの部分をクレーンで下ろします」

撤去されたのは屋根の飾りにあたる「箱棟」と呼ばれる部分です。4日は公益財団法人、文化財建造物保存技術協会の指導のもと、クレーンを使って撤去作業が進められました。

神谷神社の本殿は鎌倉時代初期に建てられたものです。様式が現存する建物としては日本最古で、国宝に指定されています。しかし9月27日、落雷によって檜皮葺の屋根の大部分が焼けました。

その消火活動中、土台の木材が焼けた影響で箱棟がずれてしまいました。今回の作業は、落下による二次災害を防ぐために行われました。

神社によると4日に撤去した「箱棟」は、傷んだ場合は取り換えていたということで、時期は定かではないものの、鎌倉時代のものではないということです。

本殿の修復作業の日程は決まっていませんが、使える建材は最大限活用する方針で、撤去した「箱棟」も境内に保管するということです。

(神谷神社/中尾格 宮司)
「これからおそらく長い道のりになると思うんですけれども、まずは最初の一歩かなというふうに思っている。屋根を葺き替えさらに素晴らしい姿に戻ってもらったら幸い」

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