難病患者の思い触れて 宮大医学部生実習受け入れ

県内の難病患者や家族らの話に聞き入る宮崎大医学部の実習生

 パーキンソン病患者や家族でつくる「パーキンソン病友の会県支部」(甲斐敦史支部長)は9月29、30日、宮崎大医学部3年生4人の実習を受け入れた。県難病団体連絡協議会と合同の意見交換会などを通して、難病患者の思いを学生に伝えた。
 同大学が3年次に実施する公衆衛生学実習の受け入れ先の一つとして打診を受け、同支部が快諾した。29日は全国の同病患者とのリモート交流会の後、同協議会に加盟する指定難病団体の患者や家族ら8人が出席して意見を交わした。
 出席者は学生に向け「医者に難病の知識がないと、患者に間違った選択をさせてしまう」、「病気になった事実は変えられず、悩んでも苦しいだけ。医療の進展に希望を持ちながら、今できることを具体的に考えたい」などと思いを伝えていた。
 実習に参加した黒木謙さん(21)は「治療が難しい病だからこそ、患者の症状や気持ちを理解し、寄り添うことが大事だと感じた。医者を目指す上で貴重な機会になった」と感想。甲斐支部長(61)は「患者と医師が近い距離で協力することで、治療法の発見などにつながるといい」と話していた。

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