~GREEN SPRINGS（東京・立川市）にて~
2022年10月4日
地方独行政法人東京都立産業技術研究センター
株式会社カンブリアン・プロジェクト
GREEN SPRINGS
都産技研（地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター）と株式会社カンブリアン・プロジェクトは、ローカル5G・GNSS（全世界測位システム）・AIを駆使した、”日本初”の屋外での警備にも対応可能な自律走行警備ロボット「セキュア・トーラス」 の開発に成功しました。
開発したロボットは、東京都立川市の複合施設「GREEN SPRINGS（グリーンスプリングス）」にて実証実験を行います。
★警備ロボット 「セキュア・トーラス」の特徴
・「屋外の広大な敷地・雨天・夜間」などの警備しにくい環境に特化したロボットです。
・5Gを活用することで、AIによる監視画像の分析や警備室からの遠隔操作などを、遅延なくスムーズに行うことができます。
・自律的に巡回しながら、不審者を警報音で威嚇しネットランチャーで撃退。スタッフと同等の警備作業を行います。
自律走行警備ロボット 「セキュア・トーラス」
GREEN SPRINGSにて 10月4日～10月7日まで実証実験!!
日時：2022年10月4日（火）～10月7日（金） 15:00～19:00
※6日は夜間（20:00～21:00）の実証実験も予定
場所： 東京都立川市緑町３－１
GREEN SPRINGS 2F 中央広場
※中央広場…約1万㎡の水と緑豊かな屋外広場です
実証実験内容： 敷地内の巡回監視
実証実験期間中はロボットの走行の様子をご覧いただくことができます。
GREEN SPRINGS 中央広場の様子
技術紹介
屋内外を巡回監視可能な警備ロボットの「セキュア・トーラス」は、不審者検知、威嚇、ネットランチャーでの撃退機能や常時録画機能を備えています。サーモカメラによって夜間での人の検知も可能です。5Gを活用することによって、警備室からの遠隔操作時の低レイテンシー（低遅延）や監視サーバーとの安定した接続性を実現しました。
屋内ではローカル５G、屋外ではGNSSとROSを利用した警備を実現
本ロボットは、屋内向けとしては、ローカル5G通信の低レイテンシー且つ安定した接続性を利用したロボット制御を実現。また、屋外向けとしては、都産技研が開発した屋外用ロボットベースの「トーラス」(1)と搬送ロボットの「ミニトーラス」(2)の６輪機構による接地特性を活かした走行性能、さらに、GNSS (3)、ROS (4)との連携によって、特徴点が少ない屋外商業施設・駐車場・公園など、広大な場所における自律走行が可能となっています。
都産技研が開発した屋外用ロボットベース「トーラス」屋内用運搬ロボット「ミニトーラス」
(1):屋外用のロボットベース「トーラス」は、起伏のある屋外を走行可能とし、その場旋回が可能な6輪の対向2輪型、300㎏程度の重量物の積載が可能な車体として都産技研が開発
(2):屋内用の運搬ロボット「ミニトーラス」は、 「トーラス」を小型化し、施設内で活用できるようにリスクアセスメントを実施し、安全に運用可能な運搬ロボットシステムとして都産技研が開発
※ 今回の「セキュア・トーラス」は「ミニトーラス」の大きさを保ちつつ、機構をシンプル化し、 「トーラス」同様に屋外走行が可能な車体として、 (株)カンブリアン・プロジェクトと共同開発
(3):GNSS(Global Navigation Satellite System)：全休測位衛星システム
(4):ROS(Robot Operating System)：ロボット用のソフトウェアプラットフォーム
警備に必要なノウハウが集約されたアプリケーション
搭載する警備アプリケーションとしては、高性能 RGBカメラや夜間を想定したサーモカメラなど複数のセンシング手段を組み合わせ、AI 画像処理・モニタリング・遠隔操作を5Gネットワーク越しのサーバー側で行うことで、エッジ側であるロボット側処理の負担を軽くしています。これまでは、エッジ側のみで処理を行うか、低解像度画像をサーバーに送って処理することが一般的でしたが、前者はバッテリー消費、後者は解像度・検知精度・遅延とのトレードオフとなっていました。
今後について
都産技研の「DX推進センター」（江東区青海）にある評価設備で走行耐久試験やEMC試験などの評価は実施済。
今後、GREEN SPRINGSでの実証実験を通して、警備ロボットの実用性を評価し、2023年中の製品化を目指しています。
走行耐久試験
