5歳死亡させ…母と床下に埋めた無職男女、死亡した女性の年金詐取 以前同居していた男性2人すでに死亡

5歳男児の遺体が見つかった住宅=3月6日、本庄市本庄

 同居していた女性が死亡したにもかかわらず生存しているように装い、老齢基礎年金などを不正受給したとして、埼玉県警本庄署特別捜査班は4日、偽造有印私文書行使と詐欺の疑いで、本庄市本庄3丁目、無職の女(55)と同居していた内縁の夫で無職の男(35)を再逮捕した。

 両被告は本庄市の自宅で今年1月、同居する5歳男児を死亡させ、遺体を床下に埋めたなどとして、これまでに男児の母親(31)と共に傷害致死、死体遺棄や暴行罪などで起訴されている。今回の逮捕は女が6度目で、男が4度目。

 再逮捕容疑は共謀の上、2020年2月14日~今年2月15日の間、計13回にわたり、高齢女性の老齢基礎年金と遺族厚生年金計約572万円を交付させた上、年金生活者支援給付金請求書にすでに死亡していた女性の名前を記入して郵送し、給付金計約14万円をだまし取った疑い。県警は共犯事件のため、2人の認否を明らかにしていない。

 県警捜査1課によると、金融機関や厚生労働省年金局の取引状況を調べた結果、今回の事実を特定。高齢女性名義の金融機関のキャッシュカードを使い、金融機関やコンビニエンスストアのATMから年金を引き出していたという。

 高齢女性の遺体は死後数年が経過していて、生存時は女、男らと現場宅に同居していた。女は女性のことを周囲に「義母」と説明していたという。遺体は男児を捜索する過程で、3月上旬に発見。全身が床下にあり5月下旬にDNA鑑定を実施した。また以前、現場宅には女と同年代の男性と高齢男性も住んでいたが死亡が確認されている。いずれも事件性はないという。

 県警は、2人が不正に得た約586万円を主に生活費に充てていたとみて、詳しい使途先などを調べている。

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