10月4日(火)東京六大学野球秋季リーグ戦 東大3回戦 @明治神宮野球場
数度の延期を経て、月が変わって行われた東大との3回戦。初回から山本晃大(総4・浦和学院)、古川智也(環4・広島新庄)、宮尾将(商4・慶應)のタイムリーなどで5点を先制。その後も六大学史上4度目(慶大2回目)となる毎回得点、3度の打者一巡、さらに東大戦2回連続となる先発全員安打など打線が大爆発し、20-2で圧勝。東大から貴重な勝ち点をもぎ取った。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 東大 0 0 0 0 0 0 0 2 0 2 慶大 5 1 2 1 1 4 1 5 X 20
東大バッテリー:●井澤、鈴木太、西山、平田、綱島、小髙峯-松岡泰
慶大バッテリー:〇増居、森下、前田晃、渡部淳-宮崎、善波
東大本塁打:
慶大本塁打:廣瀬2号ソロ(通算12号、2回・井澤)、齋藤來1号ソロ(7回・綱島)
◆慶大出場選手
打順 守備位置 名前(学部学年・出身校) 1 [6] 朝日晴人(環4・彦根東) 2 [5] 下山悠介(商4・慶應) 3 [3] 廣瀬隆太(商3・慶應) 4 [8] 萩尾匡也(環4・文徳) 5 [9] 山本晃大(総4・浦和学院) 6 [4] 古川智也(環4・広島新庄) 7 [7] 宮尾将(商4・慶應) 8 [2] 宮崎恭輔(環3・國學院久我山) H 北村謙介(総4・東筑) 2 善波力(商3・慶應) 9 [1] 増居翔太(総4・彦根東) H 高山起(総4・松本深志) 1 森下祐樹(総3・米子東) H 斎藤來音(環3・静岡) 1 前田晃宏(商1・慶應) H 吉川海斗(法3・慶應) 1 渡部淳一(政4・慶應)
前日の夜に東京ヤクルトスワローズ・村上宗隆が日本人最多となるシーズン56号本塁打を放った神宮球場。まるでその熱気が残るかのような絶好の晴天に恵まれた中、慶大と東大との3回戦が行われた。この3回戦は勝ち点獲得に向け絶対に負けられない試合でもある。開幕戦では痛恨の敗北を喫したものの、第2戦では攻守が噛み合い快勝しているだけに、その勢いを今日の試合でも持ち越したいところだ。
慶大先発は増居翔太(総4・彦根東)。1回は東大の強力打線を三者凡退に抑え快調な滑り出しを見せる。ランナーを出し一時は三塁まで進まれながらも、2回の朝日晴人(環4・彦根東)の好守備なども増居を援護し、踏ん張る投球で6回まで東大打線を8奪三振、2安打無得点に抑えた。
増居は6回無失点で現役通算13勝目を飾った
一方の東大先発は日程の都合で異例の3試合連続登板となったエース・井澤駿介(農4・札幌南)だが、初回から慶大打線が容赦なく襲いかかる。3番・廣瀬隆太(商3・慶應)が四球、萩尾匡也(環4・文徳)が死球で2死一、二塁のチャンスを作ると、5番・山本が中前に弾き返し先制に成功。続く古川も三塁手のグラブをはじく強烈な打球で適時打、さらに宮尾の打球が二遊間を抜いて3点目。このあと内野安打で二死満塁として増居と朝日が連続で四球を選び、打者一巡の猛攻で初回にして一挙5得点とした。井澤は結局1回のみで降板となった。
2回には廣瀬がリーグ戦通算12号となるソロ本塁打を放つと、3回には1死二、三塁のチャンスで下山悠介(商4・慶應)の犠飛と廣瀬のライトへの適時打で得点。4回は朝日、5回には古川にも適時打が出ていよいよ10点の大台に突入、順調に点差を広げていく。
廣瀬の4試合ぶりの1発で点差を広げた
6回、二死から下山が右中間に落ちる二塁打を放ち、これで東大戦2試合連続となる先発全員安打を達成。この後廣瀬の適時打で下山が還り、さらに古川が走者一掃の三塁打で14点目。東大を突き放していく。7回からは増居に代わって森下祐樹(総3・米子東)が今季初登板。ヒット1本を許すものの、東大の走塁ミスにも助けられる形で窮地を脱し無失点で切り抜ける。7回にはその森下の代打で今季初出場の齋藤來音(環3・静岡)が右翼席に突き刺さるソロ本塁打。これがリーグ戦初本塁打となり、堀井監督の起用に見事に応えてみせた。
古川3安打5打点の活躍で打線をけん引した
8回には期待の1年生・前田晃宏(商1・慶應)がマウンドに上がるが、立ち上がりから投球があまり安定せず東大打線に捕まってしまう。阿久津怜生(経4・宇都宮)に犠打、別府洸太朗(教育3・東筑)にはフェンス直撃の適時二塁打を浴び2失点。なんとかこの回を投げきったものの、ほろ苦いデビュー登板となった。
初登板は1回2失点と悔しい結果に終わった
8回裏には宮尾の安打から相手の失策などで無死満塁とし、朝日が右翼線へ放った適時打の間に2人が生還。これでこの試合全イニングでの得点となった。毎回得点は1971年秋の慶大(東大2回戦)、91年春の法大(東大1回戦)、2021年春の明大(東大2回戦)に続き史上4度目。この後も2本の犠打で、遂に得点は20点目、安打数も24本に突入した。
9回には渡部淳一(政4・慶應)が登板。3時間近くの長丁場を締めくくるキレのある投球で東大打者を3人で確実に抑えゲームセット。慶大は東大から勝ち点を獲得することとなった。
第2戦に引き続き、攻守が噛み合った快勝となった。攻撃面は先発全員安打や毎回得点など、文句なしと形容できる内容であった。守備面では先発の増居が6回2安打無失点と安定した投球で試合を作ったのが今後を戦う上で大きな意義があったといえるだろう。リリーフの森下・前田は共に今季初登板となったが、課題点も数多く見られた。今後の慶大を背負っていく投手陣の成長を見守りたい。この勝利で勝ち点2となった慶大。一休みする間もなく、早くも今週末には法大戦が控えている。現在の首位・明大との優勝を争うために、ここは是が非でも勝ち点を獲得せねばならない。慶大は投打の勢いはそのままに、4日後の神宮に戻ってくることを期待したい。
(記事:東九龍、写真:船田萌恵)
◆選手コメント
宮尾将選手(商4・慶應)
勝ち点を取る事ができ、よかったです。最善の準備して、法政戦もチーム一丸となって、必死で勝ち点を取ります。
5安打含む全打席出塁で打率を4割台に乗せた
斎藤來音選手(環3・静岡)
リーグ戦で自身初のホームランを打ててとても嬉しいです。
チームの状態がすごく良いので、今週の法政戦も一戦必勝で頑張ります!
リーグ戦初本塁打となる一発で得点を刻んだ
◆打撃成績
1 2 3 4 5 6 7 8 1 [6] 朝日 三飛 四球① 右2 左安① 二ゴロ 三ゴロ 右安② 2 [5] 下山 二ゴロ 見三振 右犠飛① 二ゴロ 中2 死球 右2① 3 [3] 廣瀬 四球 中本① 右安① 中飛 左安① 二失 右犠飛① 4 [8] 萩尾 死球 左飛 中安 中安 左安 捕邪飛 中犠飛① 5 [9] 山本 中安① 四球 一ゴロ 二ゴロ 二安 四球 四球 6 [4] 古川 左安① 右飛 二ゴロ 中安① 右3③ 遊ゴロ 遊ゴロ 7 [7] 宮尾 中安① 右安 左2 二安 死球 中安 8 [2] 宮崎 遊安 空三振 三ゴロ 捕邪飛 中飛 H 北村 左失 2 善波 9 [1] 増居 四球① 四球 左安 H 髙山 二飛 1 森下 H 斎藤來 右本① 1 前田晃 H 吉川 死球 1 渡部淳
◆投手成績
投球回数 打者数 球数 安打 三振 四死球 失点 自責 増居 6 21 80 2 8 2 0 0 森下 1 4 21 1 1 1 0 0 前田晃 1 6 23 2 2 0 2 2 渡部淳 1 3 13 0 0 0 0 0