平和を歌う「ひまわり」再始動 市民合唱団が初レッスン

初レッスンに臨む「平和を歌う合唱団『ひまわり』」の団員ら=長崎市宝町、銭座地区コミュニティセンター

 9月で活動終了した合唱団「被爆者歌う会『ひまわり』」を母体に、新たに被爆者以外の市民も加えた「平和を歌う合唱団『ひまわり』」が発足し、4日、長崎市内で初めてのレッスンに臨んだ。
 前身の「ひまわり」は世界で唯一、被爆者でつくる合唱団として2004年に結成されたが、高齢化による減少を主な理由に活動を終了。市民を加えた合唱団として再スタートを切った。会員全員の希望で「ひまわり」の名称を引き継いだ。
 レッスンに先立ち、発足総会があり、主宰者の寺井一通さん(73)がこれまでの歴史や思いを紹介。今後の活動方針を説明し、了承を得た。被爆者の田崎禎子団長は「平和を歌う合唱団として、歌が大好きな仲間と共に歩めることを幸せに思う」とあいさつした。
 初レッスンに参加した6人のうち5人が入団。団員数は20人となり、活動終了時点から倍以上に増えた。入団した長崎市音無町の被爆者、小川凱営さん(81)は「平和への思いを歌の中で楽しく広めていこうという取り組みに感激した」。被爆2世の女性(67)は「今年の平和祈念式典での歌声に感動し、一緒に歌いたいと思った。今後友人なども誘って仲間を増やしたい」と話した。
 再スタートに当たって10人以上から問い合わせがあったといい、寺井さんは「活動が広がっていくのが楽しみ」と述べた。


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