諫早農高の「牛ガールズ」 “和牛五輪”特別区に挑む 踏まれて蹴られても愛情注ぐ

特別区に挑戦する(左から)島田さん、山川さん、髙倉さん。中央は大切に育てた雌牛「はずき」=諫早市小川町、諫早農業高寺峰農場

 和牛生産の担い手育成を目指し、今回の全共から特別区「高校及び農業大学校の部」が新設された。長崎県立諫早農業高動物科学科3年の山川あいさん(18)、島田真緒さん(18)、髙倉桃菜子さん(17)が出場。学校で放課後などに育てた雌牛「はずき」を披露し、「牛ガールズ 牛を飼う(COW)農高ガールズ」をテーマに活動報告する。
 同区は、高校や農業大学校で飼育した14~20カ月齢未満の若い雌牛1頭が対象。毛並みや体格などを評価し、学生の発表内容も審査する。全国24道県から参加予定。
 諫早農高の3人は入学するまで、畜産とは無縁の生活を送っていた。実習で初めて牛を見て「かわいい」と好感を持った。2年生の時に小村和男講師(68)から全共について教えてもらい、挑戦を決めた。
 それからは放課後や休日に、はずきの世話をした。水洗いやブラッシング、立たせる練習や引き運動などに奮闘。「最初は踏まれて蹴られてどつかれて振り回された」が、愛情を持って接するうちに懐いてきた。徹底して衛生環境を清潔に保ち、シャンプー後は、つばき油でつやを出すなど大切にし「品のあるたたずまい」(小村講師)が魅力の牛へと成長。7月の県大会で代表に選ばれた。
 本番で発表する山川さんは「牛ガールズで頑張ってきたことを伝える」。パソコンを操作する島田さんは「発表に合わせられるように頑張る」。牛を引くハンドラーの髙倉さんは「はずきがきれいに見えるように立たせたい」と決意表明。3人は「『目指せ日本一』という気持ちでいきたい」と力を込めた。


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