岩国・下関西高が2026年度にも中高一貫校へ 岩国・徳山・山口高に「特進」コース、山口県教委方針

山口県教委が中高一貫校とする案を示した岩国高

 山口県教委が2026年度にも岩国高と下関西高に併設型の中学校を設け、中高一貫校とする案を県立高校再編整備計画に盛り込む方針であることが3日、分かった。岩国高と徳山高、山口高には25年度に進学に重点を置くコースを設置する案も盛り込むとみられる。高いレベルで学びの環境を整え、県外に進学する子どもの増加に歯止めをかけたい考えだ。

 岩国高と下関西高はいずれも県境に近く、中学校の併設で進学指導に重点を置いた中高一貫教育に力を入れる狙いがある。中学に入るための試験の方法などは今後詰める。岩国高への中学校の設置に合わせて、岩国市の高森高に併設している高森みどり中の生徒募集は停止する方向になる。

 進学に重点を置く教育を推進するため、岩国高と徳山高、山口高には「特進探究科」(仮称)を設ける。24年度に宇部西高の生徒募集を停止し、25年度には家庭科の学習機能を充実させるため厚狭高と田部高の再編統合も盛り込む。柳井、周南の両地域でも引き続き再編整備を検討する。

 素案は、開会中の県議会の文教警察委員会で協議される。今後、パブリックコメントを実施し、岩国市などで地域説明会も予定する。

 県教委が3月に策定した県立高校将来構想によると、県内の小中学校を卒業した児童生徒のうち、昨年3月は計540人が広島県や福岡県を中心に県外に進学した。岩国、下関の両地域からの流出が283人と半数以上を占めた。

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