キャンプで使える?クーラーボックスPYKES PEAK(パイクスピーク)「TOUGH GEAR」の保冷力を徹底検証!

こんにちは。くにぱぐ(パギー)です。今回は新興キャンプギアメーカー、PYKES PEAK(パイクスピーク)から発売されたばかりのクーラーボックス「TOUGH GEAR」のレビューです。リーズナブルな価格設定ながら、頑丈さと保冷力に優れ、豊富なオプションを導入すれば使い勝手も格段に上がるという、初心者からベテランまでオススメできるハードクーラーボックスです。

PYKES PEAK(パイクスピーク)の「TOUGH GEAR」基本情報

「PYKES PEAK(パイクスピーク)」は福岡県発の新興キャンプギアメーカーです。

比較的お手頃な価格帯で扱いやすい、初心者向けキャンプギアが中心ですが、2022年7月に発売されたハードクーラーボックス「TOUGH GEAR」は、これまでの同社のラインナップと比較すると、より本格的なギアという印象を受けます。

筆者撮影

見るからに分厚い構造ですが、これはロトモールド製法(回転成形)というカヤックの製造でも使用される特殊な成型方法によるものです。

繋ぎ目なしの構造で高い耐久性を実現しており、ハードな使用条件でも凹みなどは生じません。気密性・断熱性も非常に高く、保冷力は十分です(実験も行ってみました。結果は後述)。

筆者撮影

ロックレバーは金属製(アルミニウムアロイ)でズシリと来るのが頼もしい感じ。

筆者撮影

ロック部分を引っかけてから、テコの要領で固定する仕組みで、力はまったくいらず、それでいてガッチリと蓋が閉まります。

まったく隙間ができないので、クーラーボックス内部の温度が低くなりすぎると気圧も下がって蓋が開かなくなってしまうほどです。※その場合は、本体右の気圧バルブを押せば簡単に開きますのでご安心を。

筆者撮影

サイズは2種類あり、20QT ( 18.9L ) / 45QT ( 42.6L )。

画像は45QTですが、家庭用のクーラーボックスとして最大級のものがおおよそ50L前後ですから、一泊のファミリーキャンプであればまったく問題を感じさせない容量と言えるでしょう。

一応2リットルのペットボトルを立てて入れることも可能ですが、ただし実際は保冷剤が上下に置かれるケースが多いので、その場合寝かせるしかありません。

保冷剤は必ず使うわけなので、この点は設計的に少し気にはなりましたが、まあさほど大きな問題ではないと思います。

20QTのほうは、ソロ、ないしデュオキャンプに最適なサイズ感です。

筆者撮影

45QTのほうは持ち手ハンドルはベルト式になっています。比較的重さを感じにくく、二人で片方ずつ持つには便利な構造ですね。なお、20QTはバー形状のハンドルです。

他に細かい点として、ロック用ホール錠(付属しません)を取り付けできるホール(穴)が2か所あり、中に入れたものの盗難対策が可能となっています。

その他、栓抜きや、蓋部分には釣りの際に便利なメジャーもついているなど、かなり細部まで気を配っている印象です。

筆者撮影

「TOUGH GEAR」の大きな特徴として、「フタ裏に固定できる専用保冷剤(2個セット)、」「バスケット」「ドリンクホルダー」の3つのオプションがあることが挙げられます。

冷気は上から下に下りるため、フタ裏に保冷剤が取り付けられるのは非常に合理的ですので、このオプションの購入はオススメです。

バスケットは調味料や、朝食の材料だけを分けておくのに便利です。

ただ、使うことで、バスケット下のスペースがかなり手狭に感じられてしまうので、好みが分かれるかもしれませんね。

筆者撮影

ドリンクホルダーは設営時などの水分補給に良いな、と思いました。

設営中は飲み物を一本置く場所がない場合もありますし、つどクーラーボックスを開け閉めしていると、冷気が逃げてしまいますので。

まずは保冷剤だけでも購入すると良い気はします。

なお、本体カラーは、チャコールブラック、ミリタリーグリーン、サンドカーキのネイチャーカラー3色です。手持ちのギアとの相性を考えて選ぶとよいでしょう。

「TOUGH GEAR」の保冷力を徹底的に試してみた!

「TOUGH GEAR」に限らず、クーラーボックスはその保冷力がどれだけもつか? が最大のポイントになりますよね。

そこで今回、かなりハードな条件での保冷実験をしてみました。市販のロックアイスがどれだけもつかを試したわけですが、条件はこんな感じです。

  • 場所は我が家(マンション三階)の南向きのベランダ。
  • 真夏(8月中旬)で2日間(朝から開始し、翌日の夜まで)。※最高気温は30度超えでした。
  • 予冷はしっかりと行い、保冷剤も必要量入れる。
  • 概ね4時間(夜間除く)に一回程度、内部を確認。
  • 中に入れるのは保冷剤4つ。ロックアイス1袋。保冷剤に氷が触れないように置く、よく冷えた水のペットボトル(2リットル×2本)。
筆者撮影

1、2の場所・環境については、画像のように家のベランダに置いて検証しました。

ここまで日が当たる環境で、何の考慮もない使い方は普通しないと思いますが、この環境で長い時間氷がもつなら、ほぼどんな条件でも遠慮なく使えますね。

筆者撮影

3の予冷ですが、一晩保冷剤を入れ、実験直前に全部保冷剤を交換しました。これは実際にクーラーボックスを使用する際にも行うと、より保冷時間が延びるテクニックです。

筆者撮影

5の使う保冷剤は、氷と保冷剤をくっつけてしまうと、実験結果がわかりにくくなるため、間に冷蔵庫で冷やしたペットボトルの水を挟んだ、ということです。

氷から見るとかなり温度が高いものであるペットボトルと接しているので、これもかなり条件としては厳しいと言えます。

この画像は実験開始段階ですが、入れ替えなどをガチャガチャとやっていた関係で、内部温度は少し高めの「6.2℃」からのスタートになりました。

ちなみに外気温は25.9℃です。この段階でAM8:45。なお、温度計の表示が内外逆なのはご容赦ください。

筆者撮影

初日の夕方(16時)には外気温が32.9℃まで上がりましたが、それでも内部温度は3.8℃と、相当しっかり保冷されていました。

筆者撮影

24時間経った翌朝9時はさらに日差しが強く、クーラーボックス表面の温度も相当上がってしまい、なんと51℃越え。さすがに内部の保冷も相当苦しくなってきて7.1℃まで上昇しています。
繰り返しますが、普通こんなに直射日光当てませんよね。

あと、実際の実験では4時間おきに中を開けて氷の様子を観察したのですが、開けた時間は30秒ほどでも、そのつど極端に(15℃ぐらいまで)内部温度が上がってしまいました。

しばらくすると温度はまた下がるのですが、下がるたびに氷と保冷剤を溶かしているわけなので、この点も過酷すぎた気はします。

筆者撮影

結局、なんとか氷が使えるなと言えたのは、「2日目の16時ごろ(31時間程度)まで」でした(一応その後も実験を続けましたが、予定の36時間経った段階で、氷はすべてなくなっていました)。

筆者撮影

この時の内部温度はもう10℃を越えています。気温もやはり30℃以上あり、過酷すぎる条件を考えれば、かなり良好な結果だったと思います。

やや分かりにくい結果になってしまいましたが、実際、その後のキャンプで使用した感想として「相当保冷力は高い」とハッキリ言えるものでした。少なくとも、価格帯を考えた場合の保冷力としては、十分以上ある、と思います。

初心者でもベテランでも満足はいくと思います。

「TOUGH GEAR」がオススメな方

筆者撮影

ハードクーラーボックス「TOUGH GEAR」はこんな人にオススメです。

何より保冷力を優先したい人

上記実験の通り、「TOUGH GEAR」の保冷力は申し分ありません。容量もたっぷりあり、2泊以上のキャンプなどをよく行うファミリーキャンパーであれば大変心強い味方になってくれます。

積載量が十分なマイカーがあるなら「TOUGH GEAR」はかなりオススメできます。

ローコストで高性能のクーラーボックスが欲しい人

クーラーボックスは性能が価格に直結しがちな製品です。キャンプをはじめたての頃は予算の制約がどうしても大きいため、クーラーボックスはとりあえず安いものを…という人も多いかと思います。

「TOUGH GEAR」であれば価格以上の性能が期待できますし、見た目もなかなか高級感があります。まず初心者が買う選択肢としては間違いないと言えるでしょう。

「TOUGH GEAR」をオススメしない方

「TOUGH GEAR」ですがこんな人にはオススメできません。

積載量にあまり余裕がない人

「TOUGH GEAR」は頑丈さがウリですが、そのぶんサイズは大きく、マイカーのカーゴスペースをかなり占めるのは避けられません。

ソフトクーラーボックスとは異なり、使用後は畳んでおく、というわけにもいきませんので、まず積めるかどうか?をよく考えて選びましょう。

電車キャンプやデイキャンプが多い人

「TOUGH GEAR」はサイズ、重量ともにオートキャンプ以外で使うには不向きだと言えます。

気軽に持ち運べないので、電車キャンプやデイキャンプであれば、もっとコンパクトなクーラーボックスのほうが使い勝手は良いでしょう。

「TOUGH GEAR」の評判・口コミをネット上で見ていると、フィッシングや釣りキャンプで重宝しているコメントが多く見られました。

キャンプにもぴったり!「TOUGH GEAR」の保冷力は間違いなし

筆者撮影

クーラーボックスは大きくて、目立つキャンプギアですから、サイトのイメージを決定づけるぐらいの存在感はありますよね。なので、見た目重視で買われる人もたくさんいると思います。

それ自体は否定すべきものではないのですが、同時にこれほど性能が要求されるキャンプギアもなかなかありません。そういった意味で「TOUGH GEAR」はコストパフォーマンスを考えても、十分な性能はあると言えます。

あとは見た目。これは完全に好みの部分ですね。もし「TOUGH GEAR」の見た目、デザインが気に入るようであれば、私は間違いなく買ってよいものと言えます。それぐらい、性能面はしっかりしています。

デザインとしては目新しさはないですが、最近流行りのスタイルでもあり、カラーも3色ありますから、よほどオシャレ重視のキャンプをしたいという人でなければ満足はできる気がします。

もしこれから初めてのクーラーボックスを買うのであれば「TOUGH GEAR」も是非候補に入れてみてください。

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