国立映画アーカイブ上映企画『長谷川和彦とディレクターズ・カンパニー』、10月25日(火)より開催!

国立映画アーカイブでは、10月25日(火)より東京国際映画祭と共同で企画上映『長谷川和彦とディレクターズ・カンパニー』を開催する。 1982年に映画の企画・製作会社であるディレクターズ・カンパニーの設立を呼びかけた長谷川和彦の監督作品2作品(2プログラム)と、同社の設立後に製作された7作品(7プログラム)を上映。1960年代以降、撮影所システムが崩壊していくなか、多くの独立プロダクションが活動を始めたが、日活撮影所・ピンク映画・自主映画出身の監督たちによる異色の製作集団の設立は、映画業界や映画ファンの間で大きな話題を巻き起こした。本特集を通じて、この個性的な製作会社が残した作品群の再発見につながることを願ってのプログラムだという。 また、東京国際映画祭のNippon Cinema Now部門の特集〈追悼 青山真治〉に合わせて、本年3月に急逝した青山真治監督の2作品(2プログラム)を特別上映する。

作家性が発揮されたバラエティ豊かな作品群~青春映画から異色アクションやホラーまで

長谷川和彦とディレクターズ・カンパニーの監督たちは、それぞれ個性的な作家性を発揮して、さまざまなジャンルの映画に新風を吹き込んだ。『青春の殺人者』(長谷川和彦)、『永遠の1/2』(根岸吉太郎)、『真夏の地球』(村上修)などの青春映画においては、新世代の映画作家の登場を予感させるみずみずしい語り口が展開された。『太陽を盗んだ男』(長谷川和彦)、『人魚伝説』(池田敏春)、『逆噴射家族』(石井聰亙)、『犬死にせしもの』(井筒和幸)などのアクション映画は、それぞれ斬新な趣向を凝らし、従来の映画を更新する力を持っている。さらには、日本映画初の本格的なスプラッター・ホラーと評された『死霊の罠』(池田敏春)など、同社の作品群の再評価の機会となることを意図する。

監督らを招いて上映後トークを実施

フィルム上映とともに、プロデューサーや監督、脚本家などを招き、上映後にトークを行なう。それぞれの作品が製作された背景を語ってもらい、ディレクターズ・カンパニーの活動の軌跡を振り返る。

特別上映 映画監督 青山真治

ディレクターズ・カンパニーの活動には、現在の日本映画を支える多くの監督やスタッフが参加した。第5回東京国際映画祭(1992)のNippon Cinema Now部門に出品された『地獄の警備員』(1992年、黒沢清)において、演出助手をつとめた青山真治もその一人。 本年3月21日に惜しまれながら逝去した青山真治監督(1964-2022)を、90年代に公開された2作品の英語字幕付きプリントを上映することで追悼する。

上映作品

『 青春の殺人者 』(1976年、監督:長谷川和彦、出演:水谷豊、原田美枝子)

『 太陽を盗んだ男 』(1979年、監督:長谷川和彦、出演:沢田研二、菅原文太)

『 人魚伝説 』(1984年、監督:池田敏春、出演:白都真理、江藤潤)

『 逆噴射家族 』(1984年、監督:石井聰亙、出演:小林克也、倍賞美津子)

『 犬死にせしもの 』(1986年、監督:井筒和幸、出演:真田広之、佐藤浩市)

『 永遠の1/2 』(1987年、監督:根岸吉太郎、出演:時任三郎、大竹しのぶ )

『 死霊の罠 』(1988年、監督:池田敏春、出演:小野みゆき、桂木文)

『 危ない話 ―夢幻物語― 』(1989年)

-『ツタンカーメン王の呪い』(監督:井筒和幸、出演:竹中直人、佐野史郎 )

-『奴らは今夜もやってきた』(監督:黒沢清、出演:石橋蓮司、江幡高志 )

-『あの日にかえりたい』(監督:高橋伴明、出演:永島敏行、飛田ゆき乃 )

『 真夏の地球 』(1991年、監督:村上修、出演:筒井道隆、深津絵里 )

〈特別上映 映画監督 青山真治〉

『 チンピラ 』(1996年、監督:青山真治、出演:大沢たかお、ダンカン)

『 SHADY GROVE 』(1999年、監督:青山真治、出演:ARATA、粟田麗 )

関連上映

東京国際映画祭(10月24日~11月2日)にて下記の作品が上映される。

【日本映画クラシックス部門】

近年デジタルリマスター化されたディレクターズ・カンパニーの4作品が上映。 『 台風クラブ 』(1985年、相米慎二)/『 光る女 』(1987年、相米慎二)/『 DOOR 』(1988年、高橋伴明)/『 地獄の警備員 』(1992年、黒沢清) 会場:TOHOシネマズ シャンテ

【Nippon Cinema Now: 監督特集〈追悼 青山真治〉】

『 EUREKA 』(2001年)会場:丸の内ピカデリー、角川シネマ有楽町 『 エリ・エリ・レマ・サバクタニ 』(2005年)会場:丸の内ピカデリー

※詳細は東京国際映画祭の

HP

をご覧ください。

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