「不明の男性は男2人が毛布にくるみ、連れて行った…」発端は“債権回収屋”に依頼 監禁不明事件の裁判始まる

広島県海田町で男性が監禁され、その後、行方が分からなくなっている事件です。監禁の罪に問われた男女6人のうち女1人の初公判が開かれ、事件の経緯が明らかにされました。

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ことし6月、71歳の男性を監禁した疑いで、男女6人を逮捕し、その後起訴されたと警察がきのう(4日)明らかにした事件…。

6人のうち最初の裁判が始まりました。

裁判で検察が説明した事件の概要はこうです。

県内に住む女5人が海田町の男性と金銭を巡るトラブルになり、金を回収する目的で女の1人が呼んだ住所不定・古物商の今泉 俊太被告(31)と、逃走中とされる別の男を合わせた7人が、男性を事務所で監禁したとされています。男性の行方は今も分かっていません。

きょう(5日)開かれたのは女のうちの1人、府中町の無職 栗栖 愛 被告(36)の初公判…。起訴状によりますと、栗栖被告は男女6人と共謀し、ことし6月1日から翌日にかけて、男性を海田町にある事務所から携帯を取り上げたうえで脱出できないようにして、不当に監禁した罪に問われています。

栗栖被告は起訴内容について「間違いない」と認めました。

検察は冒頭陳述で、監禁に至る経緯に触れました。

検察側
「女5人は男性から持ちかけられた投資話で多額の現金を預けていたが、配当が滞っていたことから説明を求めるため、倉本 絵梨 被告が債権回収屋として呼んだ今泉被告に資金の回収を依頼した」

「男性の事務所で金を回収しようと金庫などを物色したが、金は出てこなかった」

さらに検察は男性を監禁している間に今泉被告が金の返還を求めながら暴力をふるっていたと指摘しました。

被告人質問では、事務所内でのやりとりの様子が明らかにされました。

弁護人「暴力をふるったことで、男2人に抗議はしませんでしたか?」
被告人「『手を上げるなと言ったのにあげたのですね』と言いました」
弁護人「被害者は金の運用について何か言っていましたか?」
被告人「私たちがお金を預けたときから運用はしていなくて、『だますつもりだった』と言われました」
弁護人「どう思いましたか?」
被告人「がくぜんとして、ただショックでした」

男性の行方について検察は、ほかの被告の女が、「男2人が毛布にくるみ、車でどこかへ連れて行った」と説明した供述調書を読み上げました。

検察は「金の回収目的の犯行ではあるが、その方法は実力行使で悪質」などとして栗栖被告に懲役1年を求刑。

弁護側は「栗栖被告は途中でその場を離れており、関与の程度は低く暴力には反対の立場だった」などとして執行猶予付きの判決を求め、裁判は即日結審しました。

判決は27日に言い渡される予定です。

また、あすは別の女の初公判も開かれます。

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