「町長は負けると分かって裁判した」上告費用返還求め町議らが住民監査請求

甲良町役場

 滋賀県甲良町の元職員男性による停職3カ月の懲戒処分取り消し請求訴訟で、一審、控訴審で敗訴した町が、勝訴の見込みがなく上告したのは不当だとして、町議ら12人が5日、野瀬喜久男町長に、上告関連費約42万円の返還を求める住民監査請求をした。

 男性は2020年6月に懲戒処分を受けた際、対象になった行為を知らされず、弁明機会もなかったなどとして提訴。大津地裁は昨年12月、男性側の主張を認め、「適正な手続きに反する」として処分の取り消しを命じ、今年5月の控訴審判決も地裁判決を支持した。

 監査請求したのは町議7人と町民5人。監査請求書では、「職員に不利益処分を科す重大さに対し、処分理由を記した書面交付を怠り、聴聞機会を与えなかった事実はずさんだ」などと指摘。上告の弁護士費用など、少なくとも41万9500円を町に返還させるよう、措置を求めた。

 請求人代表の西澤伸明町議らは「上告の権利は否定しないが、町長は面目を保つため、負けるのが分かっているのに筋の通らない裁判をしている。上告を取りやめ、職員に真摯(しんし)に向き合うべきだ」とした。野瀬町長は「請求書を見ておらず、コメントできない」としている。

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