「ゴッドファーザー」誕生までの波乱の舞台裏を描く「ジ・オファー」。野沢那智の息子・野沢聡が若き日のアル・パチーノの吹替を担当

CS放送のBS10 スターチャンネルは、アカデミー賞を受賞し、公開後50年を経てもいまだに根強い人気を誇る1972年の映画「ゴッドファーザー」の製作の裏側を描いた大作ドラマ「ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男」(全10話)を、11月からテレビ初放送。スターチャンネル1では、11月5日(午後2:15)に吹替版の第1話を無料放送するほか、7日から毎週月曜(午後11:00ほか)に字幕版を、スターチャンネル3では、9日から毎週水曜(午後10:00ほか)に吹替版を届ける。

「ゴッドファーザー」は、当時、低迷していたパラマウント・ピクチャーズの起死回生の大ヒットとなった歴史的傑作。だが、実は完成に至るまでには社内からの大反対、本物のマフィアからの妨害、キャスティングの難航、予算の異例の少なさなど、本編さながらの大波乱が次から次へと巻き起こっていた。

本作では、実話を基に、それらの困難に立ち向かい、「ゴッドファーザー」誕生までに人生を懸けて奔走した人々の波瀾(はらん)万丈の舞台裏が描かれる。その中心となるのが、映画製作の夢が諦められず、シンクタンクという異業種から映画業界に転職したばかりの新米プロデューサー、アルバート・S・ラディ。パラマウントの上層部からは成功を約束させられながらも、低予算の映画製作をムチャぶりされたアルバートが、小説「ゴッドファーザー」を映画化するために、いかに周囲を巻き込み、手に汗握るような駆け引きや、新人ならではの大胆な決断を繰り返しながら歴史的傑作への導いていくかを、ドラマティックかつスリリングに映し出す。

主人公のアルバートを演じるのは、映画「セッション」で一躍注目を浴び、最近では世界的大ヒット映画「トップガン マーヴェリック」で、主人公の亡き親友の息子・ルーター役を好演したマイルズ・テラー。そのほか、「キングスマン:ファースト・エージェント」のマシュー・グード、「ファンタスティック・ビースト」シリーズのダン・フォグラーに加え、「マレフィセント」シリーズのジュノー・テンプルら、実力派キャストたちが脇を固める。また、製作総指揮には、ラディ本人も参加し、監修に関わっている。

そして、吹替版には、アルバート役で中村章吾、秘書のベティ・マッカード役で加藤美佐が参加するほか、アル・パチーノの吹替でおなじみの野沢那智の息子で声優の野沢聡が、デビュー間もない若き日のパチーノを担当。加えて、原作者のマリオ・プーゾを岩崎ひろし、パラマウント・ピクチャーズ会長のチャールズ・ブルードーンを牛山茂、フランシス・フォード・コッポラ監督を田中美央が務めるなど、大御所声優陣が集結する。

また、映画に関わった実在の人物たちが登場するのも見どころの一つだ。配役も本人に雰囲気の近い役者が選ばれており、作家性を重んじるコッポラ監督の製作へのこだわりぶりや、会社側は大反対だったパチーノやマーロン・ブランドのキャスティングが決まるまでの苦労、そして原作小説に自分をモデルにした登場人物がいるため、マフィアに手を回し、映画の製作を止めようとしたフランク・シナトラの裏の顔など、興味深いエピソードが満載だ。

なお、「ゴッドファーザー」公開50周年を記念して、2022年4月からアメリカで配信を開始した本作は、評価サイト・Rotten Tomatoesの観客スコアで、脅威の97%を獲得。映画や海外ドラマのデータベースであるIMDbでも8.7点という高評価を得ており、特殊な業界ドラマでありながら、多くの人が共感できるエンターテインメント性あふれる内容で、視聴者の心をつかんだ。

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