在ウクライナ日本大使館、キーウで7カ月ぶり再開 福井県出身の松田邦紀大使、日本国旗を掲揚

10月5日、在ウクライナ日本大使館施設で日本国旗を掲揚する松田邦紀大使(左)=キーウ

 ロシアのウクライナ侵攻で3月に閉鎖した在ウクライナ日本大使館が10月5日、約7カ月ぶりに再開した。キーウ(キエフ)の大使館施設で取材に応じた松田邦紀大使(福井県福井市出身)は「この侵略戦争を一日でも早く終わらせるため、ウクライナをさまざまな分野で支援し各国に外交的な働きかけをしていきたい」と述べ、ウクライナ政府や先進7カ国(G7)との連携を強化する考えを示した。

 松田氏が同日、大使館施設で日本国旗を掲揚。安全面を配慮し、業務は当面最小限の人数で担い、領事業務は在ポーランドの大使館などで行うとしている。

 G7の他の6カ国は4~5月にキーウで大使館を再開。松野博一官房長官は5日の記者会見で、事前調査の結果を踏まえ「十分な安全対策を講じることにより、大使館業務を行うことが可能と判断したことから再開を決めた」と説明した。

 松田氏は「ウクライナ政府や国際機関の関係者と対面で膝を交えて議論ができることは重要だ」と述べ、再開の意義を強調。ウクライナ側から日本の復旧、復興政策を学びたいとの声が寄せられていると明かした。

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