乱戦の末、異例の再選挙!なぜ二度も選挙するの?品川区長選はいつまでにどうなる?

乱戦の末、異例の再選挙!なぜ二度も選挙するの?品川区長選はいつまでにどうなる?

立候補した6人がいずれも当選に必要な得票数を下回り、再選挙となった品川区長選。

地元選出の現職議員など新人6人による乱戦は、全国でも7例目となる異例の事態となりました。

再選挙とは何なのか、今後の見通しについて解説します。

再選挙とは

再選挙は、公職選挙法で「法定得票数以上の得票者がなく、当選人がないとき」に執行されるとされています。基準となる「法定得票数」は、選挙ごとに割合が定められており、地方公共団体の長の選挙では有効投票数(投票総数から無記名や候補者名以外の記載をした票の数差し引いた数)の1/4、過去に例はないものの衆院選小選挙区では有効投票数の1/6などと規定されています。

今回の品川区長選では得票数が最も多かった森沢恭子氏(43)が27,759票で、当選に必要とされた約28,300票にわずか約600票届きませんでした。

過去には千葉県市川市長選(2017年11月)や札幌市長選(2003年4月)などで再選挙となりましたが、23区(特別区)長選では初めてで、異例の事態といえます。

なぜ二度も選挙するの?

選挙には多くの税金と、選挙管理委員会や立候補者・陣営の並々ならぬ労力が注ぎ込まれます。それなのに、なぜ二度も選挙する規定が設けられているのでしょうか。

公選法の逐条解説では、再選挙の基準となっている法定得票数について「極端に少ない得票の候補者を当選人と定めることは、選挙人の代表たるにふさわしくないこと等を考慮した」と説明しています。

つまり、多数決で首長や議員など住民の代表を決める選挙制度であっても、民意を反映する「代表たる」資格を担保するための規定だといえます。

再選挙の事例に共通するのが立候補者の多さで、首長選挙ではいずれも5~7人が争う乱戦・混戦でした。品川区もこの例にもれず、現職の勇退に伴って新人6人による乱戦となりました。

法定得票数が有効投票数の1/4以上との規定のため5人以上が出馬すれば、再選挙になる可能性があります。ただ、今回は立候補した6人中5人が無所属で、政党推薦は自民党と共産党のみで、ほかの政党は自主投票、個人的支援などにとどまりました。組織戦としてみても対立構図が固まりきらなかった点が票が分散した一因と考えられます。

品川区長選結果(10月2日投開票)

年内に決着が図れるか

公選法では、再選挙は選挙期日から14日以内の異議申し出期間の後、50日以内に実施することになっており、品川区選挙管理委員会は遅くとも11月27日告示、12月4日投開票との見通しを示しています。ただ、異議申し立てが出されれば、さらにずれ込む可能性もあります。

過去の再選挙では、候補者が再出馬しないケースや、逆に新たな立候補者が出馬表明するケースなど様々ありましたが、出馬人数が4人以内に絞られたことで決着がつきました。

年末の再選挙に向けて再始動する候補者もいる中で、今後の各陣営の動きから目が離せません。

品川区長選挙2022投票マッチング

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