バイオメカニクスを学び、社会システム全体で常に直面する“設計”をデザイン思考で切り開く人材へ…玉川大学 工学部 デザインサイエンス学科 2023年4月開設

徹底的なデザイン思考で、アイディアをカタチするためのプログラミングとデータサイエンスを学び、さらに次世代のビジネスを創造するデザイン経営を学べる場―――玉川大学 工学部 デザインサイエンス学科(2023年4月開設)。

この「デザイン経営」とは、デザイナーの視点や思考をブランド構築やイノベーション創出のために活用する経営の考え方です。
商品やサービスの利用者を思考の中心に置くことで、課題を発見し、新しい発想で実現可能な解決策を生み出すことができます。そのため、デザインを色彩や形といった外観として捉えるだけでなく、ビジネスやテクノロジーとも統合した問題解決や設計という広い意味として考えます。

この新たな学科をけん引するエキスパートのひとりが、玉川大学 バイオメカニクス研究室 木村仁 教授。

バイオメカニクス、ロボティクス、メカトロニクスなどを研究テーマとする木村仁 教授はいま、人間の身体を「優れた機能を有する機械システム」という視点でとらえることで、これをロボティクス、メカトロニクスの観点から工業的に利用する、バイオメカニクスを学生といっしょに研究中。そんなバイオメカニクス研究室の最近の取り組みが、おもしろい。

「たとえば、ミミズやイソギンチャクなどの水力学的骨格を学び、密閉型の袋状構造を加減圧することで全体が柔軟に変形する移動ロボットなども開発しています。

この柔軟機械システム技術を応用し、個々の人体に応じて適切に能動変形する枕やベッドなど、インテリジェント寝具も開発しています。これらの柔軟機械システムのための機械要素技術やセンサ技術についての研究も並行して行っています」

あらゆる課題をデザイン思考で解決できる人材を育成

「玉川大学 工学部 デザインサイエンス学科(2023年4月開設)バイオメカニクス研究室では、生体力学をはじめ、それに関わる各種センサや専用の機械式バルブなどの要素技術についても研究しています。

ここ玉川大学 工学部でいうデザインとは、立体形状やグラフィックなどでいわれるデザインではなく、社会システム全体で常に直面する、数理学的、機械工学的な根拠のある“設計”を意味するデザインです。

そしてモノだけではなく、情報やシステム、コミュニケーションなどのコトも、デザイン思考で取り組むという学び場が、玉川大学 工学部 デザインサイエンス学科です。

企画、設計、資材調達、開発、構成、組み立て、最終工程、パッケージング、ユーザー志向、ユーザビリティ、アクセシビリティ、セールスプロモーション、広告・宣伝、経営まで、すべてのフェーズで直面する課題をデザイン思考で解決し最適化していく。そんな場面で活躍できる人材を育成していく場が、玉川大学 工学部 デザインサイエンス学科です」

◆玉川大学 バイオメカニクス研究室
https://www.tamagawa.ac.jp/college_of_engineering/teachers/engineering/kimura.html

プロダクト/ロボット/環境の3領域でプロをめざせる新たな学び場

(画像:左から、物理研究室 黒田潔 教授、人間工学研究室 三林洋介 教授、バイオメカニクス研究室 木村仁 教授)

―――ここであらためて、玉川大学に2023年4月に開設予定の「デザインサイエンス学科」について。

この新学科は、モノづくりを通して多様化する課題に対応できる「デザイン能力」を、身に付けることを目指している。

その最大の特長は、「プロダクトデザイン」「ロボットデザイン」「環境デザイン」という3つの専門領域が、興味・関心にあわせてじっくり学べる点。

◆プロダクトデザイン領域では、人間の身体的・心理的な特性や環境を分析し、玉川大学 工学部内に設置されている3Dプリンターなどのデジタルマシンで製品(プロダクト)を製造。安全で使い心地がよく、環境にも優しい商品づくりの経験を積み重ね、日々の暮らしを豊かにするプロダクトデザイナー・製品開発者・テクニカルエンジニア・デジタルクリエーターなどをめざせる。

◆ロボットデザイン領域では、ロボット製作に必要なプログラム(ソフトウェア)やロボット機構(ハードウェア)、機能デザインに加え、生物の持つ機能・形状もあわせて研究。ロボティクスの力で、人々の生活の手助けをするロボット・施設・マシンなどを開発・実装できるプロダクトデザイナー・製品開発者・テクニカルエンジニア・デジタルクリエーターなどをめざせる。

◆環境デザイン領域では、生活を便利にするテクノロジーを支えるためのエネルギーや材料、利用方法を研究。持続可能な社会の実現のために、環境負荷の少ないエネルギー源や技術、材料を用いた製品やシステムづくりに貢献できるプロダクトデザイナー・製品開発者・テクニカルエンジニア・デジタルクリエーターなどをめざせる。

また、こうしたプロフェッショナルをめざせるほか、教職課程を受講し、中学校(技術・数学)、高等学校(工業・数学)の教員(※)への道もサポートされているほか、CAD利用技術者、3Dプリンター活用技術者、基本情報技術者試験、知的財産管理技能検定、認定人間工学専門家といった資格の取得チャンスもある。

(※)教職課程認定申請中。ただし開設時期が変更となる可能性もあり。

徹底的なデザイン思考を体得し次世代のプロフェッショナル人材へ

玉川大学 工学部 デザインサイエンス学科(2023年4月開設)では、デザイン、科学、工学、テクノロジーの基礎科目とあわせて、プロダクトデザイン、ロボットデザイン、環境デザイン(エネルギー)に関する専門科目を徹底的に学ぶ、新しい学科。

その他に、デザイン思考、IT、デザイン経営に関する科目も充実していることが特⻑。

1年次には、「デザインサイエンス入門」など、3Dプリンターなど最新機器やCADの使用方法など、デザイン、工学、プログラミングの基礎科目を。

2年次には、プロダクトデザイン、ロボットデザイン、環境デザインの各コースに属する応用科目を受講していく。

また3年次には、デザイン思考を本格的に養っていくために、デザイン・モノづくりの学びを深め、4年次には、卒業研究として4年間の実践的な成果をカタチにしていく。

徹底的なデザイン思考で、アイディアをカタチするためのプログラミングとデータサイエンスを学び、さらに次世代のビジネスを創造するデザイン経営を学べる場。テクノロジーによるイノベーション(革新)を起こすために必要なチャレンジ精神や起業家精神を養成できる場として、いま注目を集めている玉川大学 工学部 デザインサイエンス学科(2023年4月開設)。

気になる人は新学科の公式サイトをチェックしてみて↓↓↓
https://www.tamagawa.ac.jp/college_of_engineering/news/detail-007.html

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