山間部にくねくねループ状道路、高さ20メートルの巨大な橋脚 福井県越前町、国道365号の梅浦バイパス整備進む

着々と工事が進む国道365号梅浦バイパス。県内では珍しいループ状の道路=9月15日、福井県越前町梅浦、日本空撮・小型無人機ドローンで撮影

 福井県越前町梅浦の国道365号で、福井県内では珍しいループ状の大規模な道路建設が進んでいる。2023年度の完成を目指す梅浦バイパスの2期工事だ。山間部のくねくねとした道の脇にそびえる橋脚、ぐるりと半円を描くトンネル。丹南中心部から越前海岸へ抜ける交通の“要衝”に多様な構造物が姿を現しつつある。

 越前町役場から車で20分余り。山間部に高さ20メートルの巨大な橋脚がにょきっと姿を現した。延長約1.2キロの区間に橋梁(きょうりょう)やトンネルといった構造物が5割近くを占める、県内では珍しいループ状のバイパス道路だ。

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 越前町梅浦の国道365号は道幅が狭く、急カーブや急勾配が多いため、ドライバーの安全確保や利便性向上のため整備が行われている。

 長さ189メートルの5号橋は区間内にある橋の中で最長。三つの橋脚には橋桁が架けられ、アスファルト舗装に向けた工事が進む。3号橋では、大型クレーンを使い、高さ20メートルの橋脚の柱頭部に資材を運搬。鉄筋の型枠を設置して、コンクリート打設に着手している。

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 半円を描くように曲がるトンネルは2020年9月に掘削工事が始まり、約7カ月で貫通した。照明器具の設置やコンクリート舗装が行われている。

 バイパス開通による時間的効果はそれほどではないが、ドライバーが快適に運転できる道路になりそうだ。

 梅浦バイパス 丹南中心部と越前海岸を結ぶ唯一の幹線道路である国道365号のバイパス。1期工事は2003~06年度、越前町上山中―梅浦(延長1040メートル)で行われた。11年度に事業化され、現在施工中の2期工事は梅浦の延長1220メートル。高低差が大きいためループ状の線形をなし、三つの橋とトンネル1カ所が整備される。24年度完成予定。1期工事を含めた総事業費は約128億円。

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