高純度バイオディーゼル100%使用 国内初、長崎空港JAL車両で実証実験

リーゼルを燃料に走る車両=大村市箕島町、長崎空港

 日本航空(JAL)が長崎空港で運用している車両の燃料に、廃食用油をリサイクルした「高純度バイオディーゼル燃料」(リーゼル)を100%使用する国内初の実証実験が今月、始まった。二酸化炭素(CO2)の排出削減と合わせ、エネルギーの地産地消モデルの構築を目指す。
 実験は燃料製造や廃棄物処理業者などでつくる高純度バイオディーゼル燃料事業者連合会(大阪)が実施し、JALが協力。バイオディーゼル燃料を使用する実験は他空港でも実施されているが、精製純度の高いリーゼルを100%使用するのは初めてという。
 同連合会によると、リーゼルは純度が高く高品質なため、排ガスをコンピューターで制御する車両に使用でき、においも低減できる。軽油と比べ1リットル当たりCO2排出を2.62キログラム削減する効果が見込まれる。

従来のバイオディーゼル燃料より高純度に精製されたリーゼル

 実験で使用するリーゼルは平戸市で浄化槽の維持、点検などを手がける鶴丸設備が製造。貨物や手荷物のコンテナをけん引する車両1台に使用し、来年9月末までエンジンへの影響などを検証する。
 6日は同連合会の関係者や、リーゼルの実証実験に昨年度取り組んだ平戸市の黒田成彦市長ら約20人が同空港で車両を見学した。同連合会の星子桜文代表理事は「県内でエネルギーの地産地消を進めるとともに、この取り組みを日本全国の空港に広げていければ」、黒田市長は「市内のまちづくり運営協議会を通じ、家庭の廃油を回収できるシステムづくりを検討したい」とそれぞれ述べた。


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