ライフル射撃少年男子BP 内田が県勢初V 祖父超え日本一 いちご一会とちぎ国体

【ライフル射撃少年男子ビームピストル決勝】中盤から高得点を連発して逆転優勝した内田(長崎北高)=宇都宮市、県総合教育センター体育館

 国体に選手、監督として29回出場した祖父の血を引くサラブレッドが、初めて立った国体の舞台で祖父の最高成績を超えた。予選を6位で通過したライフル射撃少年男子ビームピストル(BP)の内田翼(長崎北高)が、決勝で高得点を連発して逆転優勝を飾った。「うれしいというよりも安心した」。競技を後ろで見守っていた祖父が涙ぐむ中、16歳の孫は控えめな笑顔で喜びを表現した。
 祖父は長崎県ライフル射撃協会の友清克己副会長。矢上小4年から姉と一緒に競技を始め、祖父と同じピストル種目で早い段階から結果を出してきた。9月のジュニアオリンピックカップ兼ISSFジュニア選手権も2位入賞。優勝候補として初めての国体に臨んだ。
 この日は予選こそ546点で6位という不本意な結果に終わったが、約4時間後の決勝は本来の姿を取り戻していた。
 「予選は指の引きの感覚が良くなかったので、そこを修正した。いつものように“基本が崩れないように”を心がけた」。冷静に、祖父から教わった基本を忘れずに-。序盤から10点台を連発して優勝戦線に絡むと、最後から2発目で首位に立ち、そのまま祖父の最高3位を超える日本一を射止めた。
 夢がある。「いつかは五輪に出たいと思っている。そのためにも2週間後の東アジアユース選手権予選で代表入りしたい」。これまでで「一番のビッグタイトルになった」という国体優勝を弾みに、サラブレッドは世界へ飛び出す準備を始めた。


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