東出昌大、体重を18キロ増量 逮捕された「Winny」開発者を演じる 映画「Winny」公開決定

東出昌大が、ファイル共有ソフト「Winny」の開発者である金子勇さんを演じる映画「Winny」が、2023年3月より劇場公開されることが決まった。三浦貴大とダブル主演を務める。

「Winny」は、金子勇さんが2002年に開発し、大量の映画やゲーム、音楽などが違法アップロードされたことから社会問題となり、金子さんが著作権法違反幇助の容疑で逮捕された出来事を描いた作品。東出昌大が金子役を演じ、三浦貴大がサイバー犯罪に詳しい弁護士で警察の不当逮捕を主張する壇俊光を演じる。東出は役作りにあたって18キロを増量。弁護士たちと模擬裁判を実施するなど、徹底した役作りを行ったという。自主映画「Noise ノイズ」などの松本優作監督がメガホンを取る。

本作は、2018年に起業家の古橋智史が企画し、「ホリエモン万博」の「CAMPFIRE映画祭」にてグランプリに輝いた作品。「CAMPFIRE映画祭」の審査員は、「CAMPFIRE」代表取締役の家入一真氏、俳優の山田孝之、伊藤主税プロデューサーらが務めた。

公開されたティザービジュアルは、主人公の金子勇が、暗闇の中でパソコンに向き合う開発者としての後ろ姿が映し出されている。

東出昌大らのコメントも公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】

■東出昌大
夭折の天才プログラマー金子勇。生前の彼を知る方で、彼の人間性を悪く言う人は誰一人いませんでした。恨言を言わず、他人を罵る言葉を持ち合わせていなかったそうです。彼は子供のように、あるいは求道者のように、ただただプログラミングと言う名の宇宙に没入し、地平面の更に奥にあるかも知れない地点を目指したのだと思います。無謀にも金子勇さんになろうと役作りの準備をするにあたり、壇先生やご家族の皆様、多くの弁護士の先生方に多大なる御協力を頂きました。改めて御礼申し上げます。金子勇の生きた証を、劇場でご覧頂けましたら幸いです。

■三浦貴大
私自身、当時関心を持っていた出来事でした。報道では知ることのなかった、金子さんの人間性、当時のやりとり。
そのひとつひとつに、引き込まれる脚本でした。実際の出来事を、物語として演じると言うのは大変難しいことです。壇さんの思いを大切にしながら、ある意味、役者として客観性を保つことも大切にし、法廷のシーンなどは、壇さんにお話を聞きつつ、できる限りリアルなものにしていきました。
現場では、東出さんは、役柄への集中力が素晴らしく、壇さんからもお墨付きをもらうほどの金子さんを作り上げていました。松本監督は、最後まで粘り強く、ワンシーンずつ少しでも良くしようという情熱に溢れた方でした。
Winnyの件を知っている方も、全く知らなかった方もいると思います。
この映画は、様々な目線で見る事ができる作品です。それぞれの目線で楽しんでいただければ嬉しいです。

■松本優作監督
金子勇さんは、現代のインターネット文化の対抗軸となるネットワークを、今から20年近く前に世界で初めて実現させていました。それは中央サーバーに頼らずとも、個人個人で助け合い生きて行く、夢のネットワーク世界です。しかし2004年の逮捕を機に、Winnyの開発は幕を閉じました。Winnyの裁判をしている最中にも、アメリカからYouTubeやiTunesなどの新しいサービスが生まれています。
もし金子さんが逮捕されなかったら、もしまだ生きていたら、今の日本は大きく変わっていたかもしれません。悔しいのは、彼のような天才が、裁判の7年によって、文字通りその未来を奪われてしまったことです。
映画という文化は、ある時代の中で、埋もれてしまった場所に光を当てることだと思います。未だ世間にさらされていない金子勇という天才技術者と、彼を支え、共に戦った壇さん始め弁護団の皆様が生きた時間に、私は光を当てたい。この映画が、わたしたち人間が、より自由に、平等に生きてゆくための試金石となることを願って。

■企画・古橋智史
この映画を企画し、CAMPFIRE映画祭でグランプリを獲ったのは今からもう5年前になります。
当時「出る杭が打たれない社会を」というテーマで、日本のテクノロジー発展に寄与したいという思いがありました。
あれから5年、映画のテーマにもなるP2P技術はブロックチェーンと、Web3として進化を遂げています。
残念ながら、まだ日本がテクノロジーで席巻するまでには至っていません。
しかし、映画製作の中で気づいたことは「出る杭を」以上に、「金子勇さんや、裁判をサポートした人達の生き様を少しでも世の中に残したい」という思いが強くなったということです。挑戦しているすべての人にこの映画をご覧頂きたいと思っています。

【作品情報】
Winny
2023年3月TOHOシネマズほか全国公開
配給:KDDI/ナカチカ
©2023 映画「Winny」製作委員会

© 合同会社シングルライン