ボートレース児島のグルメに舌鼓 ~ 児島の穴場ランチスポットを大発掘!

瀬戸内海に面したボートレース児島。

レースを観覧する施設は5階建てで、客席が約7,000席もあります。

客席数は2022年9月時点の情報です

収容人数が多ければ、その分グルメ施設も必要です。

広い建物内には、食堂が5つ売店が3つもあるとのこと。

食べるのが大好きな筆者がボートレース児島のグルメを取材しました。

ボートレース児島の食事処について

建物はフロアによって、機能が異なります。

1階と3階に観覧席、2階はボートの展示コーナー、4階は有料指定席。

5階は有料会員専用フロアなので一般客は立ち入れません。

施設の入口。100円硬貨をいれてゲートを通りましょう

3つの売店はすべて3階にあります。

ワンフロアが非常に広いので、売店が密集している感覚はありません。

市販のお菓子や地元企業の和菓子、コーヒーなどが売られています。

食堂は5つあり、メニューも異なります。

1階の店舗は立ち食いスタイルです。

5階以外のフロアに点在しています。

5つもあると、どこに行こうか迷いませんか?

そんなときは食堂の一覧が便利

1階の案内所や施設内の掲示板への掲示や公式ホームページで確認ができます。

写真付きでイチオシメニューの紹介があるので、行きたい店がきっと見つかりますよ。

食堂グルメ

食堂グルメで、いくつか気になった店を紹介します。

コスモス

立ち食いスタイルの店の「コスモス」。

地元食材にこだわっているそうで、児島の松家製麺の生麵と塩田屋醸造所の醤油を使用しています。

中華そば 550円(税込)

あっさりしたスープに、細麺ストレート。

岡山らしい、昔ながらの中華そばです。

コスモスの中華そばを目当てにボートレース場を訪れるひとがいるのも納得。

天ぷらうどんも食べました。

素うどんもありますが、少し豪華に。

天ぷらはエビのかき揚げでした。

天ぷらうどん 500円(税込)

うどんもラーメンも量は多すぎず、さっと食べたいひとにぴったり。

すずらん

カツ(勝つ)三兄弟」が気になって注文しました。

ボリュームとネーミングで、ボートレースに勝てそうな気がします。

▼カツ三兄弟のメニュー

  • カツカレー 720円(税込)
  • カツラーメン 820円(税込)
  • カツカレーラーメン 870円(税込)

どれも気になりますが、カレーも豚カツもラーメンも一度に食べられるカツカレーラーメンを選びました。

カツ三兄弟に載っている豚カツはトッピングの扱いで小さいかと思いきや、立派な大きさ!

大きくて、ぶ厚いカツで食べ応えたっぷり

汁気が少ないので、ルーが麺に絡まります。

麺を食べ終わる頃にはルーもなくなっていました

辛さがほとんどないので子どもでも食べられそう。

お腹ぺこぺこの食いしん坊さんにおすすめのメニューです。

ナデシコ

牛丼や玉子丼など丼ものがある「ナデシコ」に新メニューが登場したと聞き、行ってきました。

新しく登場したのは、岡山名物のデミカツ丼

カツ丼に豚カツソースや卵とじではなく、デミグラスソースをかけたご当地丼ぶりです。

他にも岡山名物バラ寿しもあります

味噌汁付きで運ばれてきました。

おなじみのグリーンピースがデミカツに乗っています。

甘めでとろりとしたソースでごはんが進みました。

岡山らしいメニューが食べられるのはうれしいですね。

売店グルメ

食堂だけではなく、売店にも隠れたグルメがあります。

3つの売店は店名が違うものの、売られているものは同じです。

大福

売店グルメで注目されているのが大福です。

ボートレース児島開局時(1952年)から売られていて、児島の北沢聖天堂 吹上店(きたざわしょうてんどう ふきあげてん)が作っています。

無添加で1個110円(税込)です。

提供:倉敷市ボートレース事業局

ふわっふわに柔らかい餅生地は少し塩味がし、黒豆が練りこまれています。

あんこはほどよい甘さ。

こちらの大福と一緒に味わいたいのが次に紹介するコーヒーです。

ブラジルコーヒー

淹れる直前に豆を挽くコーヒーマシーンを使用。

購入すると紙コップを渡され、セルフで淹れます

ブラジル最大のイパネマ農場の5種類の豆をブレンドしているそうです。

香りがよくて、少し苦みが強めで大福にあいます。

150円(税込)でクオリティーが高いコーヒーが飲めると話題に

売店3店舗あわせて年間で3万杯も売れている人気のコーヒーです。

屋台グルメ

イベント時に登場する屋台のグルメも紹介しましょう。

イベントは土日祝を中心に開催されます

たこコロッケ

児島といえば、たこが有名ですね。

手作りの「たこコロッケ」を迷わず買いました。

1個200円(税込)

サクサクの衣の中身は、ゴロっと大きなたこがいくつも入っていました。

下津井だこを手軽に味わえる、ぜいたくなコロッケ。

小腹を満たすのにちょうどよく、万人に愛されそうなやさしい味でした。

鯛ドック

はじめて見た「鯛ドック」を購入しました。

コッペパンに鯛のフライを刻んでサンドしたものです。

1個300円(税込)

鯛自体は淡泊ですが、ゆで卵の下に隠れていたタルタルソースとの相性はばつぐんでした。

屋外観覧席に腰をかけて、レースを観ながらたこコロッケと鯛ドックをぱくり。

青空の下、目の前を6艇のボートが爽快に駆け抜けていきました。

ボートレース児島でしかできないグルメの楽しみかたです。

広々とした施設にはさまざまなグルメがあります。

食堂の数が多くてほんの一部しか紹介できていませんが、行ってみたくなりませんか?

さらにボートグルメの魅力を深めるために、ボートレース児島で働く倉敷市役所職員、ボートレース事業局の横田裕子(よこた ゆうこ)さんと食堂すずらんの石井由美(いしい ゆみ)さんに話を聞きました。

横田裕子さんへインタビュー

倉敷市ボートレース事業局 ファンサービス係に所属する横田さん。

ボートレース場へ訪れるひとへイベントを企画、運営するなど仕事は多岐に渡ります。

インタビューは2022年9月の初回取材時に行った内容を掲載しています。

来場者に喜んでもらうための仕事

──グルメのPRは横田さんの仕事ですか?

横田(敬称略)──

今年(2022年)ボートレース事業局に異動してきたばかりで何ができるかと考えて、グルメの看板を作りました。

施設に入場しても、どこで食べるかの情報がまったくなくて。

公式ホームページにもありませんでした。

グルメ看板を作るために、まずは現場を知ろうと、食堂のグルメを食べて店のひととお話ししました。

横田さん

──グルメに力をいれたキッカケはありますか?

横田──

ボートレースの予想会に、ある芸人さんが来られていて、しきりに「おいしい中華そばを食べたんだよ」って言っていたんです。

そんなにおいしいの、有名なの?じゃあ食べに行かなきゃ!と思って食べました。

それがキッカケですね。

中華そばを作るようす

以前からグルメのPRをしないといけないと職員から話が出ていました。

でもそもそも食べたことがないひとがPRなんてできないと思って、全店舗めぐりました

横田さんのおすすめのひとつ、「アジサイ」の焼きそば。目の前で、鉄板で焼き上げます(提供:倉敷市ボートレース事業局)  

私がグルメに力をいれていたら、「新メニューできたよ」と食堂のかたもがんばってくれ始めて

すずらんさんではカツ三兄弟ができて、別の店舗ではデミカツ丼が生まれました。

辛い唐揚げ、キムチ味の唐揚げを作った店も。

食堂全体が、だんだんおもしろくなってきました。

石井由美さんへインタビュー

施設にある食堂のひとつ、「すずらん」の店長 石井さん。

インタビューする筆者までニコッとなるほど、笑顔いっぱいに話してくれました。

石井さん

店長になって生み出したインパクト大なメニュー

──店長になってから長いですか?

石井(敬称略)──

2年前(2020年)に店長になりました。

私は二代目ですね。

前の店長が切り盛りしていたときは、お弁当とカレーの2本立てでした。

私が店長になってから、それまで提供していたカレーに加え、ラーメンを追加しました。

そのときに、目を引くメニューがひとつあればおもしろいかなと、カツカレーラーメンを作ることに。

一番値段が高いメニューなんですけど、意外と注文されます。

私自身、歳を重ねるとカツって胃がもたれるんですけど、ラーメンにいれると不思議と食べられちゃうんですよね。

──カツが思った以上に大きくて驚きました。このボリュームで870円は安いと思います。

いっぱい食べてほしいですからね。

ボートにお金をかけるから、食事は少しでも安くと、ギリギリの値段でがんばっています。

幸運を引き寄せる「引き寄せカレー」

──一番人気のメニューはなんですか?

石井──

カツカレーですね。

どの層からも人気ですね。

やっぱり縁起をかつぎたいひとが多いので。

ボートレース児島の公式Twitterの中のひとが、店のカレーを食べて舟券が当たったひとを見て「引き寄せカレーだね」と言ってくれて。

さっそく手書きのポップを作って、中のひと公認の引き寄せカレーとして宣伝しました。

「カツ三兄弟」として売られているゲン担ぎメニューも人気

あるとき、私が店のSNSで「岡山住みます芸人の江西あきよしさんが撮影されている」ってつぶやいたんです。

私はずっと前から江西さんのファンでして。

ボートレース児島では倉敷ケーブルテレビの番組「はなまるPARK 児島DE遊ぼ~と」を持っています。出演者は岡山住みます芸人の江西あきよしさん。

すると、倉敷ケーブルテレビのかたがつぶやきを見てくださって、江西さんと引き合わせてくださったんですよ。

願いは叶うんだって思いました。

店に撮影に来てくださったとき、引き寄せカレーを見て「うちのテレビとコラボレーションカレーを作ってくださいよ」と言われて。

すぐにコラボレーションカレーを作りました。

工夫から生まれたWin-Winメニューとサービス

──コラボレーションカレーは「ダムカレー」ですよね。生まれた背景は?

石井──

もともと提供していたチキンカレーは辛口をうたっています。

おいしいんですけど、辛口って万人に受けるわけじゃないんですよ。

安定して注文されるビーフカレーとは違って、チキンカレーは日によって売れ行きが違います。

売れる日に合わせるとフードロスになるし、少なくすると足りなくなる。

チキンカレーの根強いファンもいらっしゃるので、なくすわけにはいかない。

そこで私の子どもが家でカレーを2種類がけすることからヒントを得て、人気のビーフカレーとあわせて提供しました。

石井さん手作りのポップ。2023年4月現在、ダムカレーは税込600円です

他にもフードロス対策をしていて、レース最終日の平日にサラダサービスをしています。

サラダが余っちゃうんです。

でもサービスすれば、お客さまにも喜んでもらえるし、廃棄しなくてすみます。

1つのレースは1日では終わらず、連続した数日間で行います。

お客さんに育ててもらっている店

宣伝しようと思って、看板に引き寄せカレーを手書きで書きました。

2023年4月現在、カツカレー 720円、カツカレーラーメン 870円、カツラーメン 820円です

すると、お客さまが「看板がいいね」とSNSで発信してくださって、フォロワーも増えて。

手書き看板を見て、声をかけてくださることも。

お客さまに喜んでもらえて、やりとりも生まれました。

選手のイラストもお客さんから好評

お客さまに教えてもらったんですけど、当店は唯一店内からレース場が見えるんです。

じゃあそれをアピールしようと思いました。

店内からの景色。特別に窓を開けて撮影

カレーの甘口があるから子ども連れにもいいよ、ともお客さまから教えてもらいました。

うちの店はお客さまに教えてもらって、育ててもらっているんですよ。

石井さんの仕事に対する想い

──お客さんにどのようにお店を楽しんでいただきたいですか?

石井──

安い値段で食べてお腹いっぱいになって帰っていただけたら。

ボートレースに勝っても負けても、レース場に行ってよかったなって思ってもらえれば。

賭けごとをするだけよりも、SNSで知り合いになった店に行ってお話をして、楽しかったなって思ってもらえればうれしいですね。

ファンサービス係ができて、横田さんの声かけで、ちょっとずつ場内の店が変わってきています。

横田さんの働きで、今まで以上にみんなで盛り上げようという流れになりました。

いろいろなお店が新メニューを考えているのを見ると、私もうれしくなりました。

新しく誕生した「ナデシコ」のデミカツ丼

新しい取り組みをどんどんして、みんなで同じ方向に向かって行って、すごく楽しいですね。

──心がけていることはありますか?

石井──

ずっと笑顔で仕事をしています。相手に笑ってほしいから

相手が笑ったから自分も笑うんじゃ遅いですよね。

まずこっちが笑わないと。

休みの日はパワースポットや山登りをしています。

幸せの引き寄せ体質になりたいんです。

自分が引き寄せて、周りのひとが幸せになればいいなと思っているので。

舟券が当たったり、いいことがあったりするといいなって思います。

おわりに

倉敷市職員の横田さんとすずらんの石井さんの話を聞き、レースだけでなく、グルメに力をいれていると知りました。

お客さんに喜んでもらうために工夫しているお二人をとおして、ますますボートグルメが気になりました。

食堂、売店、屋台と大きく3つのグルメがあるボートレース児島。

記事内では、食堂は5つのうち3つしか紹介できませんでした。

まだまだおいしいメニューがある予感がしますね。

意外かもしれませんが、賭けごとをしなくても食事だけを楽しんでも問題ありません。

ただ、グルメ目的のみの来場でも、入場料の100円は必要なのでお気をつけください。

気になったかたはボートグルメを楽しみに行ってくださいね。

© 一般社団法人はれとこ