「沖縄好きになって」外国籍の人々と地域交流 映画上映やヤギ汁…沖縄の文化を紹介 JICAが交流会 沖縄・うるま

 【うるま】地域交流で多文化共生を育もう―とJICA(国際協力機構)沖縄=浦添市=主催で9月25日、上映会と交流会がうるま市勝連の「あまわりパーク歴史文化施設」で開かれ、参加者は和やかに楽しいひと時を満喫した。

 上映会は県内在住の外国籍の人々と地域をつなぐ「多文化共生のための『シネクラブ』」の企画。今年5月、那覇市の桜坂劇場での開催に次いで2回目。

 今回の上映会にはJICAの呼び掛けにインドネシア、ミャンマー、バリ島など出身で県内で働く外国籍ゲスト26人、企画に全面協力したうるま市文化財ガイドの会(照屋利江子会長)の会員、地域住民ら60人余が参加した。

 上映したのは、英語字幕付きの「やぎの散歩」(2009年作品)。当時、短編ながら中学生が製作した作品として話題になった。その仲村颯悟監督(26)も来場、イベントを盛り上げた。

 上映会に先立ち世界遺産の勝連城跡を散策、琉球王国の歴史に触れ景観を楽しんだ。

 交流会ではヤギ汁が振る舞われ、沖縄の食文化にも触れた。おかわりをするゲストもおり、初体験者も「おいしい」と意外にも好評でたちまち完食となった。エイサー動画の鑑賞、ガイドの会員の歌のプレゼント、さらに掃除器や鍋、洗剤、お菓子などのくじ引き抽選会もあり、笑顔が広がった。

 「シネクラブ」を企画する同センターの本間彰子国際協力推進員は「外国籍の方々には沖縄を大好きになってほしい。県内でも、深刻な労働者不足を解消する外国籍労働者の定着に期待している。そのためにも地域とのつながり、協力、共生は不可欠。笑いや感嘆を共有する体験の場を作っていきたい」と意義を語った。ガイドの会の照屋会長も「沖縄の金言、イチャリバチョーデー(出会えばみんな兄弟)です。新鮮な出会いの交流会になった」と手応えを喜んでいた。

 (岸本健通信員)

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