秋の夜と和楽器の調べ 山水園で「星空の響演」 10月26日に

 「名勝の宿 山水園」(山口市緑町4)の池泉庭園(国の登録記念物)と満天の星空、そして和楽器の音色を楽しめる「星空の響演」が、10月26日(水)午後6時から同所で開かれる。出演するのは、大鼓奏者の大倉正之助と、尺八奏者の吉岡龍見。    

 大倉は、室町時代から650年続く能楽囃子大倉流大鼓・小鼓の宗家に1955年に生まれた。9才で小鼓での初舞台を踏み、17歳で大鼓に転向。「独奏」という独自の演奏スタイルを編み出し、至難の業といわれる「素手打ち」にこだわり続けている。また、能楽の公演だけでなく、世界各国の首脳・VIP来日時等の首相官邸晩餐会、政府主催の音楽祭などで演奏を重ねてきた。2000年にはローマ法皇に招聘され、バチカン宮殿内でのクリスマスコンサートに出演も。さらに、東京ドームでのMLB(メジャーリーグベースボール)開幕戦や国立競技場での総合格闘技ダイナマイトでの演奏、自身の趣味でもあるオートバイと能を組み合わせた催しを企画するなど、活動の場は多岐にわたっている。国の重要無形文化財総合指定保持者。   

 吉岡は1953年生まれ。琴古流尺八師範で、吉岡邦楽社を主宰する。全国各地での演奏・講演活動に加え、アメリカ、カナダ、フランス、タイ、韓国など、世界各国でもコンサートを開催。邦楽普及のためのライブ活動にも力を入れており、バイオリン、ギター、ピアノ、打楽器などとのジョイント演奏もしばしば行っている。

 前売券は5000円で、山水園、YCAM、C・S赤れんがで購入できる。当日券(残席ある場合のみ)は5500円。   

  「国内外に多くのファンを持つ両氏の心に沁みる音色を、星空とともに楽しんで。10月末の夜なので、暖かくしてご来場を」と中野愛子社長。問い合わせは山水園(TEL083-922-0560)へ。雨天時には大広間で開催される。  

  

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