通園バスのマニュアル未整備3割 静岡・女児置き去り死受け横浜市が緊急調査 「いままで無事故、必要感じない」

横浜市が初めて策定したガイドラインには「安全管理マニュアル」の作成例が盛り込まれた

 横浜市は7日、保育所や幼稚園の送迎バスの運行時に求められる安全管理ガイドラインを初めて策定し、公表した。市が実施した緊急アンケートでは、マニュアル未整備の園が3割を超える実態が明らかになった。市はガイドライン策定を通じ、体制整備を促す。

 昨年7月には福岡県中間市、ことし9月には静岡県牧之原市で、送迎バスに置き去りにされた園児が熱中症で死亡する事案が相次いだ。これを受けて市は市内全1756の保育・教育施設を対象に、9月8~14日に緊急アンケートを実施。約8割超の1450施設から回答を得た。

 その結果、送迎バスは259施設が所有。このうち送迎時の事故防止についてのマニュアルが「ない」「作成中」と答えた園はそれぞれ42施設あり、合わせて3割を超えた。アンケート回収後に未整備の理由を尋ねると「今まで無事故だったため、必要を感じていない」「整備したくても参考になるものがない」との声が寄せられたという。

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