マルチ商法勧誘疑惑の沖縄・宜野湾市議、れいわ新選組を離党 議員辞職はせず 党は「被害者」を強調も

沖縄・宜野湾市議で元教員のプリティ宮城ちえ(本名・宮城千恵)氏が7日、自身の公式ツイッターを更新。れいわ新選組を離党したことを発表した。同党も公式サイトで山本太郎代表の声明として、宮城氏の離党を伝えた。宮城氏は、元生徒の女性にマルチ商法とされる仮想通貨の金融商品を勧誘し、金銭トラブルとなっていた。

宮城氏はツイッターで「『れいわ新選組』離党のご報告と今後について」と題した文書を投稿。5日に離党届を提出したことを明かした。理由として「私の過去の至らなさから、これ以上党にご迷惑をおかけできないと判断いたしました」と説明した。

さらに、マルチ商法とは明言しないものの「現時点では、過去の私の無知が引き起こした問題により、皆様に多大なるご迷惑をおかけしている事を深く反省し、今後は引き続き私自身の問題として、被害者の方へのお詫びや問題解決に向けて、そして新たな被害者を生まないための仕組み作りを真摯に取り組んでいこうと思います」と、金銭トラブルが原因であることを示唆する内容も。「このような状況にあっても、一緒に泣いて、悲しんで、叱って、励まし続けてくれている家族、友達、教え子、支援者、地域の方々、そしてれいわ新選組のみなさんに心から感謝しています」と、支持者への謝意をつづった。

その上で「ご報告とご説明をさせていただき、皆様のご意見や思いを聞かせて頂いた上で、宜野湾市議として4年間の職責を全うしたいと考えています」とし、現状では議員辞職の考えはないことも明らかにした。

これに先立ち、れいわ新選組は公式サイトで山本代表の声明を発表。「プリティ宮城ちえさんより離党届が提出された」と公表し、「これをもって、れいわ新選組の所属ではなくなるが、今回の問題に関し、被害を訴える方への誠意ある対応を見守ることは続け、宮城ちえさんが議員になる前から行ってきた平和活動が議会でも実を結ぶための助力を私たちはこれからも行っていく所存である」と、宮城氏とは一定の関係性を保っていくことも表明した。

宮城氏は9月11日投開票の宜野湾市議選にれいわ新選組の公認を得て出馬し、当選。だが同月末、知人らを紹介すると報酬を得られるマルチ商法の手口で出資を募り、金融商品取引法違反(無登録営業)の疑いで警視庁に逮捕された会社役員らの投資グループによる仮想通貨の投資案件を、元教え子の女性に紹介して損害を与えたと報じられた。

れいわ新選組は宮城氏への聞き取り調査などを行った結果、「違法性を知って勧誘したわけではない。この投資が詐欺であることを宮城自身も知らなかった。彼女も損害をこうむった被害者のひとり。党として、現時点で除籍などは考えていない」とし、党としての処分や議員辞職などを否定。道義的責任については問題視し、態度を保留していた。

(よろず~ニュース編集部)

© 株式会社神戸新聞社