酒類値上げ、「節約しない」37%。「節約する」派31%は「飲む頻度を減らす」が半数超

 原材料や人件費の高騰、急速な円安などを背景に飲食料品の値上げブームが続いている。帝国データバンクの食品105社への調査では、年初から9月までに1万3066品目が値上げされており、10月には1月間に6532品目の年内最多の値上げが予定されている。酒類で10月に値上げを予定されているものはキリンビールやアサヒビールなど大手4社のビール類や缶酎ハイ、宝酒造や白鶴酒造などの日本酒や本みりんなどで10%以上の値上げも含まれる。この大手ビールメーカーの値上げ発表を受けて、酒類小売チェーンを運営するカクヤスが酒類値上げに関する消費者意識アンケート調査を行っている。

 カクヤスは9月1日から4日にかけ、同社メールマガジンに登録しているユーザーを対象に「酒類の値上げ」についての感想や節約術などについてアンケート調査を実施、525件の有効回答を得て、22日にその集計結果を公表している。これによれば、「10月のビールメーカー4社の値上げをどう思うか」という質問(複数回答)に対しては、「今の状況なら仕方がない」が54.9%で半数を超え最も多く、次いで「悲しく、残念に思う」が51.2%でやはり半数を超え、この2つが突出して多く、「断じて許せない」などの他の回答は3%前後にとどまっている。自由回答欄には「税率を下げて欲しい」という意見も見られた。

 「値上げで酒類の費用を節約するか」という質問には、「節約しない」が37%で最も多いが、「節約する」は31%、「そのときになってみないとわからない」29%と大きな差はなく意見は割れている。「節約する」と回答した者に「どのように節約するか」と複数回答で聞いた結果では、「飲む頻度を減らす」が52%で最多、次いで「1回当たりの飲む量を減らす」と「セールになったときにまとめ買いをする」がともに39%、「これまで飲んでいたお酒よりも価格の安いものを買う」33%の順となっている。

 「酒はどんな存在か」を自由回答で聞いた結果では、「一日の疲れを癒やしてくれる存在」、「一日の締めに必要なもの」など、「ストレス解消」としてとらえている回答が目立ち、また「日々の楽しみ」、「毎日の楽しみ」、「週末の楽しみ」など「楽しみ」ととらえている回答も少なくなかった。「人生の友」とする回答もみられ、「値段が変わっても今の生活を変える予定は一切ない」と値上げに屈しない姿勢を見せる者も少なくないようだ。(編集担当:久保田雄城)

カクヤスが「酒類の値上げ」についてのアンケート調査。値上がり前の「買い置きする」45%、「しない」55%。値上げしても37%は「節約しない」

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