大宮門街で「書の世界展」、さいたま市在住の書家が両親へ思いはせ 子どもたちの才能を見いだすサポートも

個展のテーマ作品の一つ「父ありて私 母ありて私」

 埼玉県さいたま市在住の書家、円谷風香さんの書業35周年記念した「書の世界展~父母への感謝の書展~」が8日から同市大宮区の大宮門街4階レイボックホールで開かれる。両親への思いをはせ、その包み込む温かさを表現した書の数々を展示する。

 円谷さんは、7歳で書道を始め、9歳で「文字を書くことで人の役に立ちたい」と書の世界を志した。映画「天と地と」などの題字を揮毫(きごう)した金田石城氏に師事。情熱をこめた力強さと彩をテーマとした温もりを感じさせる両極の作風を墨で表現する。全国小学校指導用教材「書写ノート」本執筆・監修なども手掛けている。

 今回披露する「父ありて私 母ありて私」は、畳1畳ほどの大きさでしたためた。父と母の懐の温かさと心の広さを表わそうと、筆をなるべく開きながら、にじみも入れて自由自在に仕上げたという。ほかにも「掌」「逢」「歩」など漢字一文字の作品も並ぶ。「35年間やってこれたのは両親のおかげ。私の個性である書で感謝の思いを届けたかった」と円谷さん。個展を機に創作活動に磨きをかける一方、昨年は、中学生の個展を成功させるなど子どもたちの才能を見いだすサポートにも力を注ぐ。

 主催する国際書美術会の会員による作品展も併設。12日まで。午前10時~午後6時。8日は午前11時半から。12日は午後5時まで。入場無料。問い合わせは、同ホール(電話048.641.6131)へ。

書業35周年を迎えた書家の円谷風香さん

© 株式会社埼玉新聞社