【日本薬剤師会 調査】薬局における物価高騰による負担、「感じている」95%

【2022.10.08配信】日本薬剤師会は10月8日、「都道府県会長協議会」を開催した。この中で薬局における物価高騰の影響についての調査を公表した。結果は暫定的なものとしているが、「負担を感じている」との薬局の回答は95%となった。

説明した日本薬剤師会副会長の森昌平氏は、「暫定ではあるが、情報提供したい」
として関連調査の結果を報告した。

薬局において値上がりが生じているものの内容としては、照明・医薬品保管・調剤機器に関わる電気代などを挙げた。特にコロナ下で換気をしながらのエアコン使用も電気代の負担になっていることが考えられるとした。
そのほか、調剤に必要な薬袋・紙・薬瓶等の消耗品、医薬品配送等に関わるガソリン代なども挙げた。

寄せられた事例では、ビニール薬袋は2019年7・8月では4590円だったが、2022年9月では6077円になっている。そのほか、インクカートリッジなども同4001円から4335円になっているとの情報があった。
ガソリンレギュラー価格は76都市平均で119%にアップしているとの情報を記載した。

「物価高騰の影響による負担感」の調査では回答薬局は80薬局だが、このうち75薬局(約95%)が「負担に感じている」と回答した。
実際の薬局の負担金額等については今後、さらに調査によって精査したい考えも示した。

森副会長は、調剤報酬や薬価に関して「公定価格であるため価格転嫁ができない」と憂慮。「薬局の努力ではどうにもならないところにきている」と指摘した。

その上で、森副会長は「これまでも要望してきたが今後も今回の調査結果のような資料を使いながら要望をしていきたい」とした。

なお、 日本薬剤師会は9月21日づけで「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」における「電力・ガス 食料品等価格高騰重点支援地方交付金」 の活用について、都道府県薬剤師会担当役員に周知を行っている。加えて、10月7日づけで、再周知及び調査について連絡した。

再周知では、「今般、同活用を目的として、 制度要綱改正等が示されたことを踏まえ、改めて薬局等の負担軽減に向けて積極的に活用されたいことや、各地方公共団体の取組について管内の薬局等に対して積極的に周知されたい旨 都道府県衛生主管部局に再周知がなされ、 薬局における支援状況の調査が実施されていることから、 本会にも関係者への周知依頼があった」としている。
その上で都道府県薬剤師会においても、「事業の詳細な内容 (実施方法や手続き方法)について、引き続き都道府県薬務主管課及び関係部局と連携・対応の上、会員を中心とした薬局への周知等、支援を受けられる環境整備に格段のご配慮をお願い申し上げます」としている。

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