生涯業績新たな視点で 新資料など加えて紹介 小川未明文学館で生誕140周年特別展

 上越市本城町の小川未明文学館(高田図書館内)は12月25日まで、特別展を開いている。未明の生誕140周年記念として、近年の研究成果や新資料を加え、新たな視点から生涯と業績を紹介している。開館時間は午前10時から午後7時(土日・祝日は同6時)まで。

入り口正面に展示のテーマを表す書と未明の肖像写真が飾られている

 展示は4部構成。初めに未明の生涯を詳細にまとめた年譜と、特別展のテーマである「弱き者のために」の自筆書が飾られている。そして、生い立ちから上越で過ごした時代、早稲田大から小説と童話を書いていた時代、長女と長男を亡くして童話と社会主義への関心を深めた大正、童話に専念した昭和へと、時代を追って貴重な写真や作品、手紙などを展示している。
 祖父母についてや、スペイン風邪で死線をさまよったことから子どもの死を乗り越えたことなど、これまでは語られることが少なかった未明の一面を解説している。また、主宰した雑誌『お話の木』の自筆原稿や収集した考古資料、書の軸など初公開の資料を見ることができる。月曜と第3木曜、祝日の翌日休館。
 関連イベントとして23日午後2時から、未明ボランティアネットワークによる特別展おはなし会が開かれる。申し込み不要。また16日午後2時から、高田城址公園オーレンプラザで文学館講座の初回、龍谷大深草図書館の道合裕基さんによる「小川未明童話における〈異世界〉」が開かれる。申し込みは同館(電025・523・1083)へ。 

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