藤井竜王、竜王戦第1局で広瀬八段に完敗 タイトル戦3戦連続の黒星発進

将棋の藤井聡太竜王(棋聖、王位・王将・叡王との五冠)に広瀬章人八段が挑む第35期竜王戦七番勝負第1局2日目が8日、東京・渋谷区のセルリアンタワー能楽堂で指され、107手で挑戦者の広瀬八段が勝利。藤井竜王は棋聖戦、王位戦に続き、タイトル戦は3戦連続での黒星発進となった。

タイトル戦では初となる広瀬八段との対局。振り駒の結果、藤井竜王は後手番となり、戦型は角換わりに進んだ。1日目の午後には互いに長考に沈んだが、1日目終了直前から形勢は広瀬八段に傾き始めた。

藤井竜王が封じた60手目から再開した2日目も、終始広瀬八段のペース。藤井竜王は広瀬八段の冷静な指し回しの前に、一度も優位に立つ場面がないまま投了。Abemaで解説した佐々木勇気七段も「珍しいですね」と驚くほどの完敗となった。

局後、藤井竜王は「何とか攻め合いにできればと思ったんですけど、その後わからなくなってしまったかなと思います」と、中盤以降の指し手を反省。次局に向けては「早い段階で形勢を損ねてしまった気がするので、内容を良くしていかないといけないなと思います」とサバサバした表情で話した。

藤井竜王は今年度、4度目のタイトル防衛戦。第1局に関しては、1戦目の叡王戦は勝利したが、2戦目の棋聖戦では2度の千日手の末、永瀬拓矢王座に敗戦。3戦目の王位戦でも豊島将之九段に敗れた。それでも2局目以降はすべて勝利して防衛に成功している。

(よろず~ニュース編集部)

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