無印良品の広告手掛けた原研哉さんが語る「ものづくり産地に寄り添うデザイン」 福井県のRENEW会場でトーク会

ものづくりとデザインについて語る原研哉さん(中央)=10月8日、福井県鯖江市河和田町の河和田コミュニティセンター

 福井県鯖江市、越前市、越前町のものづくり産地を巡る産業観光イベント「RENEW(リニュー)」で10月8日、デザイナー原研哉さん(東京)を招いたトークショーが開かれた。原さんは「伝統から価値を生み出すには誇りを持つことが大事」と語った。

 原さんは、無印良品や蔦屋書店の広告デザインで知られる、グラフィック業界のトップランナー。RENEWディレクターで、デザイン会社TSUGI(鯖江市)の新山直広代表の著書にコメントを寄せたことが縁で、新山さんとのトークショーが実現した。会場の同市河和田コミュニティセンターには200人以上が詰めかけた。

 原さんは、ものづくり産地の課題に寄り添うデザインのあり方について「デザインは物事の本質に関わる仕事。個性の上塗りではなく、足元の伝統と価値を見つめることが必要だ」と話した。トークショーには県外の地方で活躍するデザイナーら6人も登壇した。

RENEWとは

 福井県鯖江市、越前市、越前町の越前漆器、越前焼、繊維、眼鏡、越前和紙、越前打刃物、越前箪笥(たんす)の七つの地場産業が工房などを一斉に開放。2015年に始まり、8回目の開催。過去最多の101社が参加している。総合案内の鯖江市うるしの里会館近くの複合施設PARKでは、工芸の企画製造販売を手掛ける中川政七商店(奈良市)による「大日本市鯖江博覧会」も開かれ、全国各地の工芸品や生活雑貨が一堂に並ぶ。

デジタル商品券「RENEWPay」好評

 RENEWでは、プレミアム付き電子商品券「RENEWPay(リニューペイ)」が利用できる。1口5千円で6千円分の買い物や体験ができる。福井新聞社と福井銀行の共同出資会社ふくいのデジタル(本社福井市)が提供。工房や店舗に置かれたQRコードを、スマートフォンアプリ「ふくアプリ」で読み取って決済する。9日までの期間中、鯖江市うるしの里会館、JR鯖江駅(鯖江市)、観光・匠の技案内所(越前市)の3カ所で販売。一部店舗ではRENEW終了後も買い物に利用できる。決済の手軽さもあって、会場では販売ブースには多くの若者らが訪れている。

⇒ふくアプリをダウンロードする

⇒【解説】「RENEWPay」ふくアプリへのチャージ方法

⇒【解説】RENEWPay」の決済方法は…「商品券」ボタンをまず押す

© 株式会社福井新聞社