アコウの巨木が間近で観察できる…奄美自然観察の森、きょうリニューアルオープン 龍郷

アコウの巨木に見入る関係者=8日、龍郷町円の奄美自然観察の森

 鹿児島県龍郷町円の「奄美自然観察の森」が9日、リニューアルオープンする。森で見られる野鳥や植物、昆虫を紹介した展示室、車いすで散策できる遊歩道を新たに設けた。一般開放に先立ち8日、関係者によるセレモニーと見学会があった。

 一帯は奄美大島中南部の世界自然遺産登録地に劣らない魅力がある。島北部の体験施設として、奄美市の金作原国有林に集中しがちな観光客の分散につながるとの期待がかかる。

 管理棟を移築・新設し、雨天時も楽しめる展示室を設置。パネルや映像で奄美固有の動植物を学べる。遊歩道ではスダジイやアコウの巨木を間近に見ることができ、野鳥観察小屋も改修した。再整備に伴い施設名に「奄美群島国立公園ビジターセンター」と冠した。

 8日は関係者がテープカットで完成を祝った後、施設や森を見学。指導員の川畑力さん(43)は「五感をフルに働かせ、奄美の自然や生物への理解を深めてもらいたい」と語った。

 町は「奄美・沖縄」の遺産登録を見据え、鹿児島県と連携し2017年度から整備してきた。4万7600平方メートル。総事業費5億500万円。入園無料。展示室1人100円。園内ガイド1500円。

展示室を見学する関係者=8日、龍郷町円の奄美自然観察の森

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