〈詳報〉全国和牛能力共進会(全共)鹿児島大会 1区首席の白浜喜は「群を抜く体つきの充実度合い」 和牛改良支える存在に

1区で優等賞首席を獲得した鹿児島県代表の「白浜喜」=8日、霧島市牧園

 霧島市などで開催中の第12回全国和牛能力共進会(全共)は8日、同市牧園のメイン会場で種牛の部1区(若雄)と特別区(高校、農業大学校)の最終審査があり、鹿児島県代表がいずれも優等賞首席(農林水産大臣賞)を獲得した。1区は前回宮城大会に続き連覇。南九州市知覧のJA食肉かごしま南薩工場では肉牛の部の審査が始まった。

 首席に輝いたのは、1区が県肉用牛改良研究所(曽於市)の雄牛「白浜喜」。特別区は雌牛「しえな」を出品した曽於高校(同)。肉改研が1区に併せて出品していた「金吉桜」は6位に入った。

 1区は次代を担う種雄牛候補21頭が首席を争った。白浜喜は県有種雄牛「喜亀忠」の子で、母方の祖父にエース牛「華春福」を持つ。審査講評では「体つきの充実度合いは群を抜いていた」と評価された。

 肉改研育種改良研究室の西浩二室長は「今後の県の和牛改良を支えていく存在になってくれると思うし、そうしていかなければならない」と喜びを語った。

 24校が参加した特別区は出品牛と生徒の取り組み発表を総合評価して順位を決定。曽於高校は「しえな」の評価が1位、取り組み発表がBランクとなり、総合で首席となった。

 引き手を務めた畜産食農科3年の矢野輝星(ひかる)さんは「指導してくれた先生、JA、生産者の皆さんのおかげ。発表担当の後輩も機材トラブルがある中で頑張ってくれた」と笑顔を見せた。

 2出品区での首席獲得について、全共県推進協議会の坂元信一推進委員長は「代表として選抜した牛が評価され、非常にうれしい。この勢いを残る出品区での好成績につなげたい」と話した。

 大会4日目となる9日は、メイン会場で種牛の部(2~6区)、JA食肉かごしま南薩工場で肉牛の部の順位を決める最終審査があり、9出品区すべての首席が出そろう。

特別区で優等賞首席を獲得した曽於高校の「しえな」=8日、霧島市牧園
1区で首席に輝いた鹿児島県肉用牛改良研究所の白浜喜=8日、霧島市牧園

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