女性衰弱、ネカフェで発見 女性の生活保護を受け取っていた男逮捕 男は元施設長で住所不定 2人の関係は

川口署=川口市西青木

 自身が施設長を務めていた有料老人ホームに入居させたように装い、高齢女性(81)の生活保護の住宅扶助費を川口市役所からだまし取ったとして、埼玉県警川口署は8日、詐欺の疑いで有料老人ホーム「サニーライフ八潮」の元施設長の男(61)=住所不定=を逮捕した。男は生活保護を受け取っていたことは認めながら、「全て女性のために使っていたので、だまし取ったつもりはない」と容疑を一部否認している。

 逮捕容疑は、今年5~9月、女性が老人ホームに入居しているように装い、川口市役所が女性に支給した住宅扶助費計28万6200円をだまし取った疑い。

 同署によると、女性は男が勤めていた施設への入居希望者で、宿泊施設などを転々とさせられていたという。

 4日に川口市役所から「生活保護受給者と連絡が取れない。老人ホームに入居すると聞いたが、確認したところ入居の事実がなかった」と通報があり、女性を捜索。7日午後5時半ごろ、さいたま市大宮区のインターネットカフェで発見した。周辺にいた男に職務質問したところ関与をほのめかした。

 女性は発見時、衰弱していたが、命に別条はないという。同署で詳しい経緯などを調べている。

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