児童虐待疑い通告、神奈川で過去最多 上半期で5719人

神奈川県警

 神奈川県警が1~6月に虐待の疑いがあるとして児童相談所(児相)に通告した18歳未満の子どもは5719人(暫定値)に上り、統計を開始した2004年以降、上半期としては過去最多だったことが、県警のまとめで分かった。年間で過去最多だった19年(5330人)のペースを上回っており、県警は増加する要因の一つとして「児童虐待に対する県民の意識が高まり、積極的に通報されるようになった」(少年育成課)と分析している。

 今年上半期の通告を態様別でみると、子どもの面前で夫婦げんかをしたり、配偶者らに暴力を振るったりする「心理的虐待」が4441人で最多。次いで、殴る、蹴るなどの「身体的虐待」が874人だった。また食事を与えない、車内に放置するなどの「ネグレクト」(387人)が前年同期の1.5倍と急増した。

 通告児童数は19年に初めて1万人を超え、1万1119人を数えた。その後も20年に1万645人、21年に1万861人と高水準で推移している。

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