【J2横浜FC】エース小川が左右で2ゴール 得点王争い独走 10月9日・大分戦 

サポーターの声援に応える横浜FC・小川(花輪 久写す)

◆横浜FC2-3大分

 2度のビハインドにも、横浜FCの小川からあふれ出る昇格への執念は失われなかった。大胆かつ繊細。左右で決めた2ゴールは、得点王争いを独走するのもうなずける冷静さから生まれた。

 0─1の前半22分は中央からの縦パスを味方がワンタッチでつなぎ、小川の足元へ。一度は右足のシュートが弾かれたが、すぐさま左足でゴール左に打ち直した。再び1点を追う後半11分には、ペナルティーエリア手前でボールを奪い取った和田の折り返しに遠いサイドから走り込み、右足で流し込んだ。

 今季39試合に出場して24得点。「これだけシーズンを通して出続けられたことはないので、いい成功体験になっている」。相手守備陣の急所に入り込む嗅覚は、味方の的確なチャンスメークによってすごみを増した。四方田監督も「好不調の波がほとんどなく、タフさは思った以上だった」と賛辞を惜しまない。

 この日は敗れたが、前節まで小川がゴールを決めた試合は13勝4分け。エースの活躍を示すには十分な数字だ。9月3日の山口戦以来、今季6度目の複数得点とギアは最大限まで上がっている。「きょうの一皮むけた内容と気迫を出せば間違いなく昇格できる」。満足するのは全てを得てからだ。

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