赤旗中の違反で降格のガスリー、非を認める一方、悪天候時の手順見直しを求める「無事に帰れてよかった」/F1日本GP

 2022年F1日本GP決勝で、スクーデリア・アルファタウリのピエール・ガスリーは17位でフィニッシュしたが、その後、ペナルティを受けて、18位に降格された。

 FIAは、ガスリーが赤旗中に速度違反を犯したと判断し、レース後、ドライブスルーペナルティとして20秒加算のタイムペナルティを科した。さらにガスリーにはペナルティポイント2も追加された。

 ウエットコンディションでレースがスタート、直後にカルロス・サインツ(フェラーリ)がクラッシュし、2周目にセーフティカーが出動した。ガスリーはサインツのクラッシュによりコース上に落ちた広告パネルがマシンに引っかかり、1周目の終わりにピットイン。インターミディエイトタイヤからウエットに交換をしてコースに復帰、隊列に追いつこうとしていた。ガスリーがサインツの事故現場に差し掛かった際に赤旗が出たが、その時、現場には車両を撤去するためのトラックが到着していた。

 ガスリーをはじめとする複数のドライバーたちが、雨で視界が非常に悪い状態で、F1マシンがまだコース上にいる時点でトラックが出動していたことは極めて危険だとして、激しい怒りを示した。これについてはFIAは違反行為ではなかったとした上で、調査を行うと述べている。

 一方で、スチュワードは、ガスリーが赤旗が出た直後に走行していた時の速度に注目、審議を行い、ペナルティを科すことを決めた。

「インシデントの現場を通過した後、10号車は赤旗のシチュエーションで、複数にわたり、200km/hを超える速度で走行し続けた。一時は251km/hにも達している」とスチュワードは説明した。

「ドライバーは、今ではコース上にマーシャルあるいは障害物が存在した可能性があると理解しており、自分の走行速度は速すぎたと認めている」

「そのスピードはいかにしてもレギュレーションで要求されるような“低速”とみなすことはできないが、このコンディションの下で達成できる最大スピードよりも遅かったことを、ペナルティの軽減において、考慮に入れる。さらに、ドライバーが、インシデントが起きたコーナーのレーシングラインにトラックが存在するのを見てショックを受けていたことも、考慮に入れる」

2022年F1第18戦日本GP決勝が赤旗中断に

■ピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ)
決勝=18位
ピットレーンスタート/タイヤ:インターミディエイト→ウエット→ウエット→インターミディエイト→インターミディエイト

 今日は何か別のことを試みようとしたが、このトラックはとにかくオーバーテイクが難しい。ベストを尽くしたものの、結局うまくいかなかった。僕たちとホンダにとって特別なレースウイークエンドだっただけに残念だよ。

 でも、マックス(・フェルスタッペン)がタイトルを獲得できたのは素晴らしいことだった。彼はコンスタントに勝利を重ねて、常に最高のパフォーマンスを発揮している。すごいことだ。ワールドチャンピオンになるためのすべての要素を備えている。彼とレッドブル、ホンダに心からおめでとうと言いたい。鈴鹿でタイトルを獲得したのは特別なことだ。僕もうれしく思うよ。

(自身のSNSを通して語り)今夜、無事に帰ることができてよかった。ジュール(・ビアンキ)と彼の家族、僕たちの安全性、マーシャルの人たちの安全性を尊重し、これほど視界が悪い状況で、トラクターやマーシャルをコース上に出してはならない。

 なお、(ペナルティに関して)事実を説明すると、スチュワードと話をしたように、ペナルティはターン14とターン15の間でスピードを出し過ぎたことに対して科された。そこはトラクターがいた場所ではない。僕は減速したけれど、十分でなかった。これについて責めを負う。

 ターン12に関して言うと、僕はターン12に近づくなかで、セーフティカー中のデルタタイム(セーフティカー中に期待される速度)を尊重していた。その時、赤旗が提示されたが、レーシングライン上にトラクターとマーシャルがいる状況で、反応し、安全にブレーキングするには遅すぎた。

2022年F1第18戦日本GP カルロス・サインツ(フェラーリ)のクラッシュで落ちた広告パネルを引きずるピエール・ガスリー(アルファタウリ)

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