光るアイデア、独自のルールメイキングで誰もが笑顔に…広がる“ゆるスポーツ”の世界

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。10月5日(水)放送の「フラトピ!」のコーナーでは、老若男女誰でも楽しめる“ゆるスポーツ”を、キャスターの田中陽南が体験取材しました。

◆大人から子どもまで、誰もが楽しめる"ゆるスポーツ”

「スポーツ弱者を、世界からなくす。」をテーマに、ここ数年で認知が高まっている"ゆるスポーツ”。

その魅力について、パラスキーヤーで起業家の青木大和さんは「普通のスポーツとはちょっとルールを変えて、いろいろな人の均等を保ちながら、いろいろな人が参加しても楽しめる、スポーツ本来の魅力が詰まったものだと思っている。日本だとスポーツは競争、順位を競わないといけないとなりがち。(ゆるスポーツは)本来のスポーツに原点回帰するもの」と力説します。

そんなゆるスポーツは、老若男女どんな人でも楽しめる競技が数多くあり、一般社団法人世界ゆるスポーツ協会の澤田智洋代表理事によると、その数は現在約115競技。

澤田さんは「僕らはスポーツ弱者をゼロにしたいと本気で考えていて、そこが抽象度の高い目標になっているので、結果として競技数が増えているというだけ。本当にスポーツっていいなとか、それによって自分っていいな、生きるっていいな、仲間っていいなと思える人を増やしたいというのが僕らの目標」とゆるスポーツに懸ける思いを語ります。

今回、田中は世界ゆるスポーツ協会の萩原拓也理事とともに、いくつかの競技を体験。まずは「100㎝走」です。ルールはシンプルで、極力ゆっくり100㎝を走り切るだけ。

ただし、地面についていいのは片足のみで、浮いている足は動かし続けなければいけません。萩原さん曰く、この競技で問われるのはバランスと集中力。

早速、田中は番組ADと対戦。

いざやってみると、地味ですが体勢を保つことが大変で「かなり足が辛い、プルプルする」と早くも悲鳴が。

しばらくすると、田中は体勢がキープできず、両足が地面についてしまう"ダブルフット”の反則に。反則すると1ブロック(25㎝)先からリスタートすることになるのですが、その後ADもダブルフットを取られ、勝負は白熱。最終的には田中が5分41秒の記録で勝利。

なんとか100㎝を走り切った田中は「きつい」と息を切らし、「子どもも足が小さい分、大人と対等に戦えそう」と感想を語ります。実際、子どもが大人に勝利することもあり得るのがこのスポーツの面白さだと萩原さん。

次は、同じ種類の靴下を丸めてカゴに入れる競技「くつしたまいれ」。

一見、簡単そうに見えますが、田中からは「難しい!」との声が。結果は、10対3でADが圧勝。

競技を終え、「これはお家でも盛り上がりますね」と田中。親子や兄弟でやっても盛り上がり必至。萩原さんによると、靴下をまとめることができない子どもも遊びや楽しみに繋がると覚えてくれたり、練習してみようという気になるというメリットも。

続いては、今春公開されたばかりの新作競技「ピクトグラミー」。これは画面に表示されるピクトグラムと同じポーズをより早く、いくつできるかを競うというもの。

ピクトグラミーは、世界ゆるスポーツ協会と国内の電子機器メーカーが画像センシング技術を使って共同開発。

これも簡単そうに見えて難しく、田中は苦戦。低い点数に動揺する田中を尻目にADは着実にポイントを重ね、ダブルスコアで勝利していました。

澤田さんは、「売り上げ目標や数値目標を追っていても楽しくないというか、僕はそれよりもひとりの人がスポーツ嫌いだったのに、ゆるスポーツをきっかけにスポーツ大好きに変わるほうが、はるかにダイナミックな体験だと思う」とゆるスポーツの醍醐味について言及。「量的な目標というよりは、質的なクオリティ的な目標を大事にしてやっている」と話していました。

◆進化するゆるスポーツ、独自のルールメイキングも魅力

ゆるスポーツの魅力、さらには田中の戦いぶりに、キャスターの堀潤が拍手を贈ると、田中は「大人も子どもも対等に楽しめるゆるスポーツ、楽しかったです」と笑顔を見せます。

普段、パラスキーヤーとして海外を巡る青木さんですが、田中の体験取材に「僕らは雪のある季節しかできず、スポーツのなかでも限られ、その魅力も当然あるが、やはり身近な場所ででき、すぐに楽しめるのは本来のスポーツの良さでもある。(ゆるスポーツは)めちゃくちゃいいなと思った」とゆるスポーツの素晴らしさを再発見。

一方、インスタメディア「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんは、独自のルールメイキングに興味を示し「人によってハードルは違っていて、それをなくす形でルールを作る、これはいろいろなところで活用できそう」とその汎用性に言及。

これに、堀も「ゆるスポーツで学んだことは本当にいろいろなことに応用可能だと思う」と共感。「決められた仕組みの中でしか何か能力を発揮しないのではなく、そもそも何かを設定して、そこで生み出す力というのがすごく魅力」と目を輝かせます。

クリエイターとして澤田さんを尊敬しているという株式会社ゲムトレ代表の小幡和輝さんは、「障害や年齢などでスポーツをやりにくい人がいる中で、その人たちにハンデをつけ周りが合わせるのではなく、その人が輝けるようなルールを作り、みんなが楽しく遊べるというのはとても素敵」と称賛。

他にもゆるスポーツは数多くあり、例えば「トントンボイス相撲」は「トントントン……」と声を出すと、その声の大きさによって土俵が揺れたり、光ったりします。声を出すことで、高齢者に必要な喉のリハビリになる競技です。

また、「オシリウスの塔」は、お尻で丸を描くと画面上にお尻が降り、できるだけ大きな丸を描き、大きなお尻を生み出す競技。

「打ち投げ花火」は、天井の的に向かって風船を放ち、当たった場所の得点を競い合い、中心に近いほど高得点で花火がより大きく打ち上がるというもの。

ゆるスポーツ黎明期にワークショップに参加したことがあるという堀は、現在の競技を「すごい進化」と驚きつつ、「どんどんイノベーションの舞台になっていますね」と感心していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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