市場関係者も意識する「水星逆行」、投資家は期間中どう向き合えばいいのか

今年3回目の水星逆行が10月2日(日)に終了しました。

水星逆行とは、水星が通常の公転軌道と逆方向に動いて見える(実際には順行している)現象のことです。この水星逆行の期間中は株価の乱高下が激しくなる、トレンドの転換期になりやすい、などというアノマリー(相場の経験則)があります。少なからず世界の株式市場に影響があるといわれていて、普段星の動きに、ほぼ興味がない市場関係者でも、この期間だけは意識して覚えている方が多いように思います。

それは過去、水星逆行中に起こった事を挙げると頷けるかもしれません。


水星逆行と相場

主だったところでは、リーマンショック前年の2007年の下落時が水星逆行中でした。また、リーマンショック中の2番底に向かう時も同じく水星逆行中で、リーマン・ブラザーズが破たん後に株価が下落し始めた時も水星逆行中でした。

さらに近年ではコロナショック時の株価暴落も(2020年2月~3月にかけて)同様に水星逆行中でした。ここに紹介した以外にも多くの株価暴落が起こっているのは事実です。

余談ですが、私は毎朝メルマガを書いて配信しているのですが、読者の方々に水星逆行についての注意喚起をすると何故か大きな株価下落は起こりません。逆にメルマガ内で水星逆行について触れずにいると、割と値幅の大きい株価下落が起こります。

ちなみに今回の水星逆行についてはメルマガで一切触れなかったのですが、結果は日経平均株価が2,605円下落、NYダウ平均株価は3,656ドル下落しました。今回は大きな下落となりましたので、個人的な的中確率は当たる方向で更新されました。

水星逆行中の心得

一般的に水星逆行中に起こると言われているのが交通機関の乱れ、急なスケジュールの変更、データ消失、連絡ミス、行き違いメールなどの誤送信やパソコン、スマホなどのデジタル機器の故障などです。一方でプラスに作用する働きもあり、失くした物が見つかる、過去に習得した知識や技術が役に立つ、いったん立ち止まって形勢を立て直すチャンスがくる、忘れていたことを思い出す、過去に幸運のヒントが隠れている、休息の時間ができるなどです。

こじつけかも知れませんが、「失くした物が見つかる」に関して考えると、高値になってしまった銘柄を水星逆行の暴落により安値で買う、という事に置き換えられるかもしれません。ただ、水星逆行中は様々な下落要因が尾ヒレのように報道されるので、安値で買うといってもなかなか強気な姿勢で買い向かっていくには勇気が必要です。でも「過去に習得した知識や技術が役に立つ」という作用を用いれば、普段から銘柄の研究や知識を増やしていれば、その事がきっかけとなり買い向かえるかもしれません。そして「立ち止まって形勢を立て直すチャンスがくる」とまで言われると、もしかしたら水星逆行は保有株を整理して良い方向へと切り換えるチャンスの期間とも思えてきますが、皆さんはどう思われるでしょうか。

水星逆行時の乱高下は、ヘッジファンドなどが逆行のタイミングに合わせて仕掛けている、などという説もあります。しかし明確な根拠はなく、水星逆行と株価変動の因果関係は解明されていません。ただ、傾向として水星逆行時は思わぬ株価暴落に注意が必要という事を認識し、保有株を見直すなど、スケジュールを確認しておくことをおすすめします。

次回の水星逆行は2022年12月29日~2023年1月18日です。

水星逆行は年に3~4回起こる為、注目されますが、実は年1回程度の金星逆行時の方が波乱の確率は高いようです。ちなみに次回の金星逆行は来年、2023年7月23日〜9月4日です。

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