卒業生、全員集合! 思い出の学び舎で先生が「授業」 大宮西高、3年越しの閉校事業 15日、配信も

さいたま市立大宮西高校「先生の思い出授業」への参加を呼びかける同高卒業生の栗原俊明さん

 2020年3月末に閉校した、埼玉県さいたま市立大宮西高校の教壇に立った教員が同高卒業生らに向け「授業」を行う催し「先生の思い出授業」が15日、同市大宮区三橋4丁目の同校跡地に開校した市立大宮国際中等教育学校で行われる。新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催できずにいた大宮西高閉校事業の一環。来年春には延期となっていた同高卒業生が一堂に集う大同窓会も予定しており、事業実行委員は、各地の西高卒業生に対し、思い出の学び舎で行われる同授業への参加を呼びかけている。

 同市立大宮西高校は1962(昭和37)年開校の市立高校。2014年、市は同高を中高一貫6年制の中等教育学校に改編する方針を決め、17年4月の入学生を最後に新入生の募集を停止した。校舎などは現在、市立大宮国際中等教育学校に受け継がれている。

 20年3月16日には56回目となる最後の卒業式が行われたものの、新型コロナの感染拡大により保護者らの出席はできなかった。また、予定されていた閉校式や同窓会などの行事も緊急事態宣言発令などにより、行うことができなかった。

 今回の「授業」は15日午前10時~午後4時ごろにかけ、5人の元教員が教壇に立ち、当時の思い出を語る。旧校舎での聴講ができるほか、インターネット中継も予定している。参加無料。卒業生や元職員、近隣住民ら、誰でも参加できるが、聴講は事前の申し込みが必要。応募者多数の場合は抽選。申し込みは「さいたま市立大宮西高校」ホームページの申し込みフォームから。

 同高を1993年に卒業し、閉校事業に携わってきた会社経営の栗原俊明さん(48)は「西高で過ごした楽しい時間、思い出をもう一度、みんなで懐かしく語り合えれば」と話し、卒業生らの多くの参加を呼びかけている。

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