長崎県内の景況 2期連続改善 先行きはコスト高懸念 日銀長崎支店

日銀短観 県内業況判断DI(全産業)推移

 日銀長崎支店が3日発表した9月の長崎県内企業短期経済観測調査(短観)は、全産業の景況感を示す業況判断指数(DI)は前回の6月から1ポイント上昇のプラス6で2期連続改善した。ただコスト高への懸念から、先行きは、引き続き悪化の予測が上回った。
 製造業は前回から横ばいのマイナス2。電気機械が円安、原材料価格高騰によるコスト上昇や半導体不足などを理由に悪化した一方、生産用機械は新型コロナ禍で大きく落ち込んでいた受注が回復した。非製造業は前回より2ポイント上昇のプラス10だった。宿泊・飲食サービスで上昇した。
 仕入れ価格判断DI(上昇引く下落)は71、販売価格判断DI(同)は29で、いずれも上昇。共に統計が残る2003年12月以降、最高水準となり、コスト高の販売価格転嫁を進める企業の増加がみられる。
 12月の全産業の先行きは11ポイント悪化のマイナス5。鴛海健起支店長は「緩やかな景気回復が続いているのと同時に、幅広い原材料コストの上昇が、企業の収益やマインドの重しになっている」と総括した。
 業況判断DIは「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を差し引いた数値。136社(製造業46、非製造業90)を対象に、8月29日~9月30日に調査し、135社が回答した。


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